アイディア発想法の類の一つであり、
<br />前半はしっかりと情報のインプットと
<br />アウトプットの重要性を説いている。
<br />
<br />しかし後半には若干「知的ストレッチ」という
<br />テーマとはかけ離れた項目も見受けられるのが残念だ。
<br />
<br />著者が実際に取り組んでいる事例を紹介しているので、
<br />その中から自分にあったものを見つけるといいかもしれない。
知的生産術の提案本としては久々の当りです。日垣氏は作家・ジャーナリストで、TBSラジオの科学対談番組「サイエンス・サイトーク」のホスト役を務めておられます。私は、日垣氏に本書で初めて出会ったので、彼の著作内での本書の位置づけには言及できません。また、「サイエンス・サイトーク」を意識して聞いたことはないので、著者についての印象も特にありません。しかし、そうした予備知識を抜きにしても本書は強烈な印象を与えてくれました。
<br />
<br /> 本書の内容は「21世紀版「知的生産の技術」(P. 2)」です。「おわりに(P. 219)」で述べられているように、知的生産術に関する書籍が多数あります。例えば、梅棹忠夫『知的生産の技術』(岩波新書)や渡部昇一『知的生活の方法(続)』(以下、いずれも講談社)、板坂元『考える技術・書く技術』、立花隆『「知」のソフトウェア』、野口悠紀雄『パソコン「超」仕事方』などです。本書の内容は部分的には上掲書と重複します。これは、知的生産術が人間の頭を創造的・効率的に使用する技術である以上、重複(すなわち普遍的部分)があるのは当然です。本書の特徴は、知的生産術の機材面であるネットワーク環境のついての記述をアップデートした点、便利なサービスや商品が特定可能な形で公表した点、です。特に、後者が秀逸です。「ロング本棚(P. 79)」や同氏『使えるレファ本150選』(ちくま新書; P. 88)、スケジュール手帳「高橋書店の「リシェル3(商品ナンバー213)」」(P. 204)などは是非、見てみようと思います。
<br />
<br /> 無論、知的生産技術にはすでに慣れ親しんだものがある場合もあり、本から得た方法が定着しない場合あります。そのため、本書の方法を真似する必要はありません。しかし、そういった方法面での記述以上に、本書の記述から浮かび上がってくる著者の思考手順には一読の価値があります。お勧めです。
<br />
中身をぱらぱらと読んで、あまり実はなさそうという印象を受けたのですが、「そして殺人者は野にはなたれる」の作者の本と分かり、俄然興味がわいて買い、1時間ほどで読みました。
<br />
<br /> 表紙写真にもあるA4ファイルユニットの使い方、読書した際の読後直後の読み返し「黄金の5分間」など興味深く読みました。
<br /> 真似してみようと早速、A4ファイルユニットを注文しました。
<br />
<br /> と、何かと参考になる仕事術が書かれているのですが、残念なのは、まさに編集方針。
<br /> もっと紹介している事柄について写真を載せて欲しかった。
<br />
<br /> その意味では、南伸坊さんの装丁はなんて意味深でセンスがいいんだろうと改めて思いました。
<br /> うーん、中身をもっと違う見せ方にすればもっと良い本になったのではないかと残念。その点で★5つではなく、3つです。