野口整体の野口晴哉さんの本が最近単行本となって出版されています。確か、全集としてメジャーではない出版社で作られていたので、あまり一般の方の目に触れることがなかった本ですが、こうして単行本にしていただくと大変ありがたいですね。
<br />野口晴哉さんは人の体をよく研究し、手当てといって、手の動くところに手を当てたり、自らの治癒力を生み出す活元運動など、まったくユニークな健康法を確立した大家です。
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<br />私はこの野口さんの文章がとっても好きです。人の体の力、自然の力を信じ、意識よりも体から導き出される力こそが本当の人間の力であるとおっしゃるのですね。非常におおらかで、安心する感じなんです。
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<br />体癖という造語がぴったりとご本人も納得されていますが、人の体の使い方で、それぞれの性格や行動が生み出されるとおっしゃいます。十種類の体癖の特徴やそれぞれのエピソードはとても面白いです。多くの人に実際に触れられ、体を(背骨を手で確認する)検証し、人の顔や名前は忘れても、その体(背骨)は総て覚えていたという方なんですね。
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<br />そして、今回の風邪の効用も、大きな文字で、とっても読みやすい本です。風邪についても、今のように、風邪を引く前に予防注射をしたり、引くまいと体をかばうようなことが、逆に弱い体にしてしまうということなんです。
<br />風邪は逆に、人間の様々な病気をうまく調整してくれる非常に便利なものだと言うことなんですね。必然性があるから風邪を引く。風邪を引けない体となってしまうと、大病をするということなんです。うまく風邪を引いたことをきっかけに、全体を調整してしまうと、非常にすっきりした体となるんですね。
<br />目からうろこの面白い内容です。これからお子さんを育てる方、なるべく自然に生きたい方、ぜひ一度読んでみるといいですよ。とっても勉強になります。
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著者の主張する整体の知識がないと、何を言っているかさっぱり分からない本。突然、「そんなの常識として知っているだろう」と言わんばかりに整体の用語が出てくる。解説も、注も、いっさいなし。どうしてもこの著者の本を読みたいなら、この本から読み始めるべきではない。続き物なら、そういう風に明示するべきだし、専門書や入門書でも、文庫にする場合は用語解説や「導入」、イントロダクションがつくものである。そういうのは一切ない。無理矢理へんちくりんな言葉の世界に引きずり込まれる気がする。
ストレスや疲労によって緊張しきった体や頭を緩ませ、強制的に休ませるために風邪をひく必要がある。<p>風邪をチョコチョコひいて、うまく体を緩ませることができる人は<br>癌などの大病をしないという著者の説にナットク。<p>人間の持つ自己治癒力のメカニズムに感動。<p>熱のある時は風呂に入ってもよいとか、<br>熱が下がって低体温期に入ったらじっとして休まないと長引く、<br>など目からウロコの野口療法がいっぱい。<p>風邪をひくと「たるんでるからだ!」と言われて育ったので<br>風邪をひくたびに気持も落ち込む自分だったが、この本を読んで<br>風邪は身体のリセットだとわかり、安心。<p>薬で抑えて、身体のリセットなしに進み続けることは<br>危険だと思い知った。