著者の主張の正否はとくに問題ではない。現場の医師である著者が、この本に書かれている様な意見を持つ背景が問題なのである。そして、著者と同様の意見を持つ医師は多い。医師が苛烈を極める労働現場で仕事をしている事に対する不満は傾聴するに値する。では、開業医はラクで儲かっているのかといえば、そんな事もない。勤務医からスピンアウトした医師が開業医になるのである。開業医一人あたりの患者数は減っているのだ。そして外科や内科の開業医は、たった一人で、十分な医療機器がない状況下の院内で、あるいは往診先で、初診の患者に医療行為を行う事もある。強い胸痛は腹痛を訴える初診患者を、一人で、入院設備のない場所で診るときの「怖さ」は経験者でなくてはわからない。もう、「○○はラクして儲かっているのに、自分はラクでもないし儲かってもいない」などという嫉妬交じりの感情とは離れて、丁寧な議論を進める時に来ている。そうしなければ、医師がリスクの高い仕事をしなくなってしまう時代なのだから。この本はそういった危機感を抱かせてくれる。
医師サイドから医療現場について書いた本。データの扱い方が非常にうさんくさい。
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<br /> 「患者一人当たりの医療費を比較すると、入院医療費はむしろ一般人より低額(図7参照)」とか言う文が31ページにあるが、その図7を見てみると、タイトルが「1日あたりの医療費」となっていて、なぜかデータがすりかわっている。老人と一般人について、1日の医療費の平均で比べても差は出ないでしょう。
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<br /> 一人当たり医療費が老人の方が全体平均より高いのは明白で、それは厚生労働省HPのデータからもすぐに分かる。
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<br /> うさんくさい本です。
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小さい子何人も連れて病院を受診。
<br />やっと終わったと思ったら雨の中を院外薬局へ。
<br />そこも絶望的に混んでいる。
<br />こう家族全員病気がちだと今の医療政策いやでも目につきます。医療そのものは進歩してるでしょうが他国のごきげんとりで病人の事なんて考えてない。いつも疑問に思ってた事 この本を読んでよくわかりました。