細かいことは抜きにして、無思想とはつまり、臨機応変のことなのかなと思いましたよ。<br />我が国は四季があり災害もあり、外国からの借り物の思想とか科学とか、対応しきれないんですね。<br />だったら捨ててしまえ、思想なんか。<br />仏教もインドからの贈り物なのに、ちゃっかり我が国でしかと無意識に根付いていることはまさにインド人もびっくり!<br />うーん。<br />世界の平和は我が国に掛っているのかなあ?
他の養老先生の著書を読んでも感じることだが、哲学を説いているなかでも、やはり解剖や医学に関する内容は文章が格段に光る。
<br />この本は多少難解な面もあるが、その中での専門である分野での内容は理解しやすくなってしまっている。著者が「わざと」難解な文章にしてしまっているようにも感じる。括弧の多用もその一因であろう。
<br />前半と後半では僅かではあるが文章の構成が違うので、前半の印象が強いと難解だと感じてしまうところがあるが、全般の内容はそれほど難解ではない。
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<br />そして、著者のナショナリズムというか、日本人絶対主義とも言えるような内容に共感してしまうのは、今のアジアにおける日本の状態のもどかしさもあるのかもしれない。
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「日本人は、無宗教、無思想というが、実は違う。」
<br />「日本人は、『俺は思想なんて信じない。宗教なんて信じない』という思想を持っている」
<br />「これは、数学でいう「0(ゼロ)」と同じ。
<br /> 古代インドで、「0」という数字が発見されたが、「無思想の思想」とは、数学で言う「0」と同じである」
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<br /> 私は、養老猛司が好きです。
<br /> この本は、上記のことを、わかりやすく説明しています。
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<br /> 今の時代、理系、文系、各学問、など、各分野だけを学べばよい、というのは、もう古い。
<br /> あらゆる学問を網羅し、さらにその上で「考えた」、「養老哲学」。
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<br /> 養老猛司の本を読むたびに、「もっと本を読まなくっちゃ。」と常に思います。
<br /> 今の日本人に向けての、養老猛司からの、メッセージ本です。