芸術の哲学 みんなこんな本を読んできた 芸術の哲学
 
 
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芸術の哲学 ( 渡辺 二郎 )

芸術とは? <br />この本を読めば解るはずです○ <br />非常に解りやすく説明されております。 <br />この種の入門書をお求めの方は、是非読んでみてください。 <br />多くは語りません。しかし、間違いありません! <br /> <br />

ピアニストがピアノを弾いているのをみると、いかにも簡単そうに弾くので自分も弾けそうな気がしてくるものです。 <br />それと同じように、この本を読むと、哲学というのは、案外分かりやすいなと思えてしまうほど、この本は分かりやすく、すらすら読めます。 <br />渡邊氏訳の『イデーン』を読んだことがあるかたなら、氏の原文の読みの緻密さと、それを明快な日本語に置き換える才能についてはすでにご存じでしょう。 <br />この本によっても、あらためて渡邊氏のすごさを感じさせられました。 <br />これほどの本がコンパクトで安価な文庫本として手に入るというのはありがたいことです。 <br />渡邊氏には今後も是非とも哲学のあらゆるジャンルについての啓蒙書を書いて頂きたい者です。

本書は、美の成立根拠を人間の主観的な心の在り方に還元する「近代主観主義的美学」に対して、美ではなく存在の真実が開示される場が芸術作品と考える「存在論的美学」を提示している。前者の立場に立つシラーやフロイトに対して、後者の立場を取るニーチェやハイデガーを平易に解説することで芸術哲学の教科書のような作りになっている。そのため「近代主観主義的美学」をなぜ退けるのか、という命題に関しては批判が甘いと思うが、二つの芸術観を対立させて論じる文章は、非常に明快であり、ハイデガー、ニーチェ、アリストテレスもしくはショーペンハウアーの芸術観が見事にまとまっている(原書にあたったことのある人にはそれがよく分かるだろう)。ちなみに芸術や哲学が「訳の分からぬもの」と考える人には特にお勧めする。

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