つまらない本。内容がなにもない。歴史の知識がないのに「まちがいない」、「ちがいない」の連発。だれでもが感じるようなことを、いかにも自分の発見のように言う。笑止千万。何歳になってもマスターベーションが止められない建築家の面目躍如といったところ。
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通常建築の歴史を語る本はさしずめピラミッドあたりから始めそうなものだけれども、この本ではピラミッドが登場するのはようやく136p目(全172p中)に過ぎない。しかもそこからモダニズムまでわずか20pで駆け抜けていく。それだけでもこの本の途方の無さがわかるだろう。<br>では、それ以前の大半のページを割いて語られる建築の歴史の本質とは何か?それは読んでのお楽しみ。いささかミステリーめいた大胆な仮説を元に骨太の建築史が語られていく。<br>建築のデザインに本格的に取り組もうとする学生にもオススメ。セジマやトヨオもいいけど、これだけ壮大なスケールで建築を考えてみるのも有益では?<br>ちなみにユリイカ2004年11月号の藤森照信特集の中沢新一との対談と合わせて読むとより理解が深まるかも。(その対談から本書が生まれたのではと思われるほど)
タイトルは大げさでなく、まさに人類の歴史とともに語る建築の歴史。日本も世界も視野に入れ、住まい・建築が人類にとってどういう意味を持つものであったのか、何をもたらしたのかなどを、分かりやすく、ぐいぐい引き込まれる調子で解説しています。<br>藤森先生独自の大胆な推理・仮説も交えたひじょうにダイナミックかつすっきりした流れがあるので、建築の入門書としてもうってつけですが、宗教や思想・文化など幅広く人類史に興味があれば一読に値すると思います。満ち足りた読後の気分保証つき。