著者は1、地球温暖化はむしろ太陽活動によるものであり、CO2とはおそらく無関係だろうという仮説、2、ダイオキシン汚染は健康被害に及ぶほどのレベルではなく、現行の焼却施設で十分に健康は維持できるという説、3、外来種絶滅は環境省の利権追及による「遺伝子汚染」を防ぐためのナチズムである、という主張をしています。
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<br />科学は多くの仮説によって成り立っているため、たしかに著者の言うことが正しいのか、あるいは正統派のマスコミの言う説が正しいのかは、はっきりしないかもしれません。しかし、茶者が指摘するように、ダイオキシン規制をしているのが、主に焼却炉の業者、分析業者と官僚であったりすれば、結論は怪しくなるでしょう。
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<br />一般的にいってもCO2の排出規制は費用の割りには、効果の少ない方法であり、それならば途上国民の直接援助をするべきでしょう。また外来種の根絶というのは、いま現在日本に住んでいるアライグマなどを殺すということであり、また私もナチスの集団主義に通底するものを感じる和歌山県のタイワンザルとニホンザルの雑種の駆除などを意味するのです。雑種とは人間で言えば、ハーフのことを意味するに過ぎません。これらのことに税金を使うのはまさに政治活動のもつ愚の骨頂だといえるでしょう。
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<br />漠然と社会主義が変化した環境主義への警告の書として、本書の意義はすべての自由主義者が知るべきバックグラウンドを提供しています。あえて惜しむらくは、どこまでがまじめな主張で、どこがオチャラケているのかがあまり判然としない部分もあることでしょうか。
この本は、所謂「正論」と真っ向から反論している本です。
<br />確かに納得させられましたが、断定的な口調に少し疑問が残ります。
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<br />しかし、対極する2つの意見を見比べる事で、環境問題を多面的に考える事が出来ると思います。
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<br />ただ一つ言っておきたい事は、現在言われている地球温暖化の原因の数々は全て「仮説」であるということです。
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<br />根拠があっても正しいとは限りません。(←は「国家の品格」(著・藤原正彦)あたりを読んでいただくと判ると思いますので序でに薦めておきます)
地球温暖化問題、ダイオキシン問題、外来種問題について、通説とは違った角度からスポットライトを当て、陰の部分をあぶりだす。
<br />著者の主張は説得力があるが、問題の一部分しか捉えておらず、正統派の主張と併せて読み解く必要があるだろう。
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<br />著者の語り口は断定的で、主観に基づく所も多いが、
<br />メディアによる情報の取捨選択におけるバイアスの存在や、外来種の自然伝播は認めるが人為伝播は認めないという姿勢をナチズムに例えた点など、なるほどと思わされる部分も多かった。