内容は、シュタイナー自身によるシュタイナー教育の入門書といったものである。
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<br /> シュタイナーの神秘学の人間構成論に基づいた、教育のあり方を述べている。いい学校に行き、いい職業につくのが教育の役割か、そのようなことに真正面から取り組む。シュタイナーは
<br />人間に元々備わっている創造性を引き出すことが
<br />教育の役目であり、それに携わる人には重い責務があるのだと語る。
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<br /> シュタイナーの語り口に慣れた人には適切なシュタイナー教育入門書であり、またシュタイナー教育について知らない人にも、それをよく知る上で適当な本であろう。
シュタイナーの名を冠した育児関連の本が沢山でている。<br>それらの本に感銘を受けたならば、このシリーズを原点に戻るのが良い。<p>訳者、編集、装丁ともに申し分なく、読み込むのに最適である。
海外の思想家が日本に紹介されるとき、誰を通じて、いつの時機に行われるかは、極めて重要な問題だと思われる。今、この時期、高橋巖氏によるシュタイナー・コレクションの発刊は、双方の意味において、我々読者にとって幸いな出来事であろう。高橋氏がいなければ、日本でのシュタイナー像は極めていびつなものになっていたに違いない。本書は小品ながらシュタイナーの教育理論の本質を理解する堅固な糸口になっている。訳文は、詩情にあふれた名訳である。隔月にこのコレクションを読み解くのは至上の楽しみだ。