この本は、小・中学生レベルの数学をわかりやすく教えるという点では、最高の数学書の部類に入ると思う。
<br />エッセイ的な部分に著者のこだわりが強く感じられるが、他の書評やレビュアーが誤解しているほど、ひどい記述ではない。文系の学問ではよくあるレベルの記述であり、ここでも理系=客観=感情を排す=数学という、一般的な誤解に基づいて、著者の思いを感じられない人の意見であろう。これほど、数学に対する偏見は根強い。
<br />小・中学校の数学では、公式をあまり詳しく説明せず、丸暗記させ、あとは無理やり問題を解かされ、数学嫌いになっていった。
<br />しかし、この本は定義・公式の理解に紙面を多く割いており、納得感がある。後半、少しわかりにくいものもあるが、おおむね、わかりやすい記述である。
<br />高い本であるが、ぜんぜん損した気がしない。著者にはもっともっとわかりやすい本を書いていただきたいと思う。感動できる数学書である。
まず、珍しい。このように1000項に渡っている分厚さ、しかもその構成…とても教科書には成り得ない。だからこそ教科書しか知らない世代に、是非今までの勉学の補完として、知識と知識を有機的につなげる啓蒙書として読んでもらいたい。
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<br />そういった意味では中高生向けではあるのだが…いかんせん、その年代ではまだこの本を“考え方のひとつ”として認識する事が難しいように思う。
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<br />この本は欺瞞の混じり具合が他書よりも薄い。著者が真剣に考えながら生きてきた事が端々から窺える。それは大変な共感や尊敬を生んで差し支えないのだが、その事が逆にこの本にすら含まれてしまういくつかの問題点に気づきにくくさせており、この本にこそ真理が書かれていると錯覚させてしまう危険性がある。この本は決して“聖書”などではない。
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<br />著者自ら指摘しているように、注意深くこの本を読めるようになった時が、自ら考える力がついた時が初めて適正年齢かもしれない。
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<br />その点のみ留意すれば、この本はすばらしい教養書となり読者の人生を豊かにすること間違い無しである。なるべく早くこの本に出会って欲しいと思う。あまり遅くに出会うと専門の方には既知の事実が多過ぎて少々感動が薄くなってしまうかも知れない。
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<br />以上の理由で、これは高卒以上の年齢の方に強く薦める良書です。
私はこの本を一年近くかけて読みました。今のくそつまらない数学の教科書なんかじゃ、数学の美しさを理解することなどできません。この本を買ってください。少し高いですが、この本から得られるものに比べたら安いものです。今日の理科離れはかなり深刻です。将来の日本が心配です。この本こそ、日本の将来を救う救世主と言えます。<br>これほどの大著を一人で書き上げた吉田先生に脱帽です。<br>一家に一冊是非!!この本と一緒に12桁電卓も購入されると、よりいっそう楽しめると思います。