海はあらゆる存在をのみこみ、かつ生み出す母胎をあらわすものだそうですが、そのことを実感させるように、どこか懐かしい気分になります。
<br /> 現代を生きる私達は、誰もが多かれ少なかれ、何かに追われてあくせくした毎日を過ごしていることだと思いますが、何も望まない、何も求めない、――何も失くさない、何も怖くない。そんなカタチがあってもよいのかもしれない、と思えるような静かで穏やかな写真が満載です。
<br /> イチオシです!
実は、ある件で船舶のことをいろいろ調べているうちに、この写真集に出会った。最初は「海の名前の由来のうんちく」かなと、不届きなことを考えて読んでみたのだが、これは実に素晴らしい。
<br />地球上にはまだまだこうした美しい_(モチロン、写真家の技術は素晴らしいのだが)海があることをまざまざと「理解」させられたのである。普段、都市生活をしているとこうした広大な(地上以上に広大な)世界に出くわす事がないため、余計にそう感じてくるのである。
視覚的・感覚的な「好き」を超えて、さらに海がいとおしくなる1冊。<br>魚や海獣たちは、本能で海を知り尽くしてるかもしれない。<br>だけど、この本は、ヒトにだけわかる喜びを味うことができる。