本書は「研究計画書」の作成を軸にしながら,テーマはきわめて普遍的だ。ここに記されたことは,日常生活で展開していけそうだ。これから大学院で論文書く人たちだけでなく,社会のあらゆる場面での問題解決を考えるのに有効だと思った。全体を通し,問題解決とはどのように展開するのかと共に,大学院とはどんなことをしているところなのかというイメージも持てるようになり面白い。生き方や働き方の選択肢として,多くの社会人が大学や大学院に注目している。そこで,なぜ大学院か,なぜ研究かという始めの問いは,「修士でも取っておこうかな」という自分の考えを見透かされたようでぎくりとした。「研究」とは,問題意識を持つ“持続可能な営み”として,特別視せずに考え,挑戦してみることができそうだ。何気なく記された「大学院は,私たちにとって,一つのプロセスにすぎません」という著者のこのことばが光っている。
大学院進学を考えている人だけでなく、毎日の職場で何かひっかかるものを感じている人、何かもやもやを抱えている人、そして、それをなんとかして解決したいと感じている人全てにおすすめしたい本です。
<br />私自身、大学院進学前にもやもやを抱えていたときにこの本に出会っておきたかったと残念に思いましたが、逆に、院を修了し、現場に戻って、「実践と研究の往還」という筆者の言葉の意味や重要性を実感している今だからこそ、この本に出会えたことは私にとってプラスだったと思います。その意味では、既に大学院進学を果した人、院を修了して職場に戻った人にとっても、この本は、それぞれが経験してきたことを捉えなおし、これからの自分の進む道を考える良い機会を与えてくれるのではないでしょうか。
大学院に行こうかなァ・・・と迷っている人に、ぜひおすすめしたい本です!
<br />「研究する」と言っても、実際どんなことをやっているのかがイメージしにくいし、入試書類で「研究計画書」を提出しろと言われても、「それ何?」って感じで、何をどう書けばいいのかよくわからないし・・・。
<br />私は、全く大学院のことがわからず不安だったのですが、この本を読んで、大学院入学前から、修士論文を執筆して修了するまでの、二年間の大まかな流れと考えのプロセスが理解できて、面白そうという気になりました。
<br />あと、入試対策のために研究計画書の書き方を知りたかったんですが、大事なのは、書類を作ることでなくて、自分が日ごろ気になっている問題意識についてよく考えることなんだと知って、驚き、考え直させられました。
<br />研究は少し難しそうですが、頑張って受験したいと思いました。