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ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する ( スティーヴン・レヴィット スティーヴン・ダブナー 望月 衛 )

タイトルとは裏腹に、世の中の「思い込み」を裏返していく一冊。 <br /> <br />結論としてマスコミの一部というのは実に不勉強で、そのくせセンセーショナルにイメージを植えつけてくることがわかります。 <br /> <br />朝三暮四という言葉があって、人間がイメージで物事をとらえたときに現実と違う印象をうけてしまうということを言っていますが、現代の我々は統計によってその思い込みを打破することができます。 <br /> <br />すんなり読めてためになる良い本です。

経済学者としては異色の著者が書いた作品。 <br />経済学とは、既に起こった事象のデータからその仕組みを読み取る学問である。その根本の目的とは、インセンティブである。つまり、それは利己的なものである。 <br />それだけその仕組みを知ることによって、いいことがあるか、もしくは悪いことを回避できるかである。これは、ビジネスの世界で言うと、Forces At Work(作用する力)に相当するものである。顧客や他社の動きをみながら、自社の戦略、行動を適時変えていくことによって <br />変化に強い組織にしていくというものである。本書によって、経済学であってもビジネスパーソンとして必要なことが盛り込まれているので、一度は目を通してもらいたいもの1つである。 <br />ただ、本書は事例紹介だけなので具体的なデータの分析方法や、将来の予測には使えないのが残念である。 <br /> <br /> <br /> <br />

タイトルは「ヤバい」となっているが、まともな一冊である。著者の一人のレヴィットは、「現実の世界で人がどんなふうに動くかについて」「経済学の豊富なツールを使って」たくみに分析する。(ちなみにダブナーはライターで、非常にうまくレヴィットの考えを文章にしている)。 <br /> <br />経済学のツールといっても別に複雑なことは登場しない。基本的な考え方は非常に分かりやすい。人間の行動は、(あらかた)インセンティブで説明できる、というもの。かつては、「合理的人間」の存在を措定して、「経済的インセンティブ」だけですべてを説明しようとした経済学者もいたけど、レヴィットはほかに、「社会的インセンティブ」「道徳的インセンティブ」という概念を持ち込んでいる。よくも悪くも、経済学という手法に対して絶対の自信を持っている。政治とか文化とか、そういったフィルターを除いて、純粋な経済学のフィルターだけを通して世界を覗こうとしたのがこの著者たちだと言える。著者たちは、果敢にタブー視されてそうなトピック−教師のいかさま、力士のいかさま、KKKの組織、中絶の効果、について触れている。 <br /> <br />で、どんな考察が得られたのか。 <br /> <br />例えば、レヴィットによると、1990年代のアメリカの画期的な犯罪の減少は、1970年代の中絶合法化にある。相撲力士は八百長をしている。不動産は、人の不動産を売るときは真剣でない。なぜかは本書に詳しいが、(関連業界の政治的反論を全く念頭においていないという意味で)ナイーブである一方、同時にとても力強い論理展開は、一読の価値があると思う。 <br /> <br />千秋楽の相撲を見る目は、少し変わると思う。相撲好きだけど。

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