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| 粉飾の論理
(
高橋 篤史
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ライブドアや村上ファンドの陰に隠れた感のあるカネボウの粉飾の実態は、新聞や雑誌だけでは一貫性をもってとらえられなかったが、この本により、全体像が俯瞰できた。
<br />終章の「カネボウ事件の関係者は誰もが平凡なサラリーマンにすぎなかった。」というところで、大きく嘆息してしまった。
<br />カネボウの手口は、古典的といえるもので、目新しいものではない。よくあんなに長い間もったものである。とりたてて豪奢な見返りがあるわけでもないのに、この苦闘は、知れば知るほど、日本の会社のこの手の話と、アメリカのそれの懸隔に愕然とする。アメリカの会社が優れているということではなく、なぜか、悲惨さの色調が少ないのだ。
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