先だってのmixiの株式上場は凄まじかった。
<br />立ち上げてたった3年の会社に1000億の値がつくのだから、ネットバブルはまだしばらくは続きそうな予感である。
<br />
<br />さて本書のテーマは2つ。
<br />前半は、mixiの社会学的な考察。
<br />後半は、mixiをはじめとする無料サイトのビジネスモデル分析である。
<br />
<br />前半は、ネット時代における新コミュニケーション論といってよく、読み応えがある。リアルコミュニケーションとバーチャルコミュニケーションの融合や、新しいコミュニティの可能性を説いていて、社会学系の人には興味深い内容だと思う。
<br />
<br />逆に後半は、ビジネス書を読み慣れている人にとっては物足りない。
<br />本書のデータを読む限り、mixiが1年で黒字化した理由は、要するに広告収入が安定したからであり、なぜ広告収入が安定したのかといえば、会員数が爆発的に伸びたからである。それ以外に何か新しいビジネスモデル=儲かる仕組みがあるわけではない。
<br />
<br />ではなぜ会員数が爆発的に伸びたのか。
<br />やはり、ここがいちばんの肝であろう。その答えは前半の分析が詳しい。
<br />ともあれ、まだまだネットには宝の山が隠れていそうな気配である。
プロローグ、第1部、エピローグを通じて 「リアルな人間関係を反映したネットワークの上にバーチャルなネットワークが乗っかって、そこで情報が交換される(リアル×バーチャル)世界がSNSで実現しつつある」ことを違和感無く説明をしており気持ちよい。
<br />「mixiやSNSは知っているが、胡散臭く感じている」「バーチャルコミュニティは一部の突出したユーザの集まりに過ぎない、と考えている」上司や知り合いに”mixiやSNSの可能性や現状を説明したい”人には ぜひお勧めしたい。
<br />
<br />ただ、第2部は「まぁそうですね」と思う程度。ということで星4つ。
mixiを主たる対象としてweb2.0をまじめに分析した本。
<br />
<br />第一世代(ヤフー・楽天)のネットワールドの特徴が、バーチャルワールドとリアルワールドを別のものと捉えるのに対し、第二世代(mixi・はてな)は、「リアル×バーチャル」と「バーチャル×バーチャル」であるとする。前者は、リアルから入るが(友達の紹介が必要)、新たにバーチャルな関係が得られる(友達の友達を友達にできる)ことであり、後者はwebサービスなどの自動化技術によるサイトの自動連携と分析している。
<br />
<br />第一部がコミュニティ分析という社会学的テーマを、第二部が無料サービスが成功するための条件を探るというビジネス学的テーマを扱っています。
<br />
<br />mixiのことを軽視してきたが、この本を読んで凄いかもと思った。