マッキンゼーのコミュニケーション・スペシャリストによる論理構成の指南書。
<br />ただ、論理構成そのものの解説というよりも、コミュニケーションを効果的にするための手段として論理構成をどのように用いるべきかという点に主眼がおかれているように思います。
<br />それゆえ、非常に実践的な内容になっていると感じました。
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<br />まず、コミュニケーションの目的はメッセージを相手に伝えることという内容から始まります。
<br />そのためには、話の重複・漏れ・ずれを無くすことが不可欠であるという主張へと展開し、
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<br />・MECE:話の重複・漏れ・ずれを防ぐ
<br />・So What?/Why So?:話の飛びを防ぐ
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<br />という論理構成の横(MECE)と縦(So What?/Why So?)の説明およびその実践へと移ります。
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<br />各章のポイントには、日常的なコミュニケーションの中で散見される拙い論理構成の例を示し、どのように改善すべきかを訓練する練習問題が散りばめられています。
<br />この点からも、本書は実践的な内容になっているものといえると思います。
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<br />本書の欠点は、例えばMECEやSo What?/Why So?もそうですが、いわゆる「コンサル用語」を多用しすぎているところにあります。これらの用語に対する説明が不完全なままに本題へと突入しているために本書全体の構成にやや論理の「飛び」が感じられます。
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<br />それを除けば、コミュニケーション上の論理構成の良い問題集と言えるでしょう。
趣旨は「ビジネスコミュニケーションを行う際に必要な論理的な思考と構成の基本スキル」
<br />自分の考えをまず整理する、相手に伝えたいことは何か?とか基本中の基本から
<br />MECE、グルーピング、So What?/Why So?等コンサル的なものまで。
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<br />あくまでも初心者向けにわかりやすく書いてくれています。
<br />ビジネスの現場に近い視点になっているので卒業前の学生さんにもいいでしょう。
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<br />あと、どうにも話が苦手な人にもいいでしょう。
<br />論点を整理する力が読むだけで(多少)付くので、すっきりします。
<br />頭が整理されていれば話はできるものですから。
なんか似たような本が巷にはあふれていますが、
<br />私は、この著者と同じくマッキンゼーでドキュメントコンサルタント
<br />?をしていたバーバラ・ミント氏の書いた「考える技術・書く技術
<br />―問題解決力を伸ばすピラミッド原則 」がいまだ十分使えることを
<br />示す以外の何物でもないと思います。
<br />本書も、いろいろ書いてますけど、「考える技術...」を最初に
<br />読むことをお勧めします。最初の1/3を読むだけでも目から
<br />うろこです。
<br />もう10年以上も前の本ですが、ベテランコンサルタントもよく読んで
<br />ました。その後に出版された同類の書籍はどれもその本の派生商品です。