では具体的にどうすればいいの?という視点が・・・
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<br />とは言え、読者としては、たかが1600円かそこらの本に
<br />こうすれば今日から仮説思考が身につきます!的な魔法の杖は期待してない。
<br />むしろ、BCGのコンサルタントが試行錯誤を積み重ねて、身に着けたであろう仮説思考
<br />その過程での具体的なエピソードから何かしらのヒントを得たいと考えるものではないだろうか
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<br />にも関わらず文中では「体験」「経験」「想像」「感じる」
<br />といった本来キモとなるはずの言葉が軽く扱われている
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<br />「なぜ」そのように考えるようになったのか?
<br />その過程を丁寧に再現し、普遍化することこそが重要ではないのだろうか
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<br />何というか、筆者の経験世界が文章に反映されていないのだ
<br />教科書的な雰囲気(悪い意味で)が全体から伝わってくるのはそのせいだと思う
<br />筆者本人はもっと凄い人に違いないと思うので、残念で仕方ない一冊
内容はどこかで聞いたことのある話ばかりなのだが、特に仮説思考にフォーカスしている点が新しい。類書ではサブ的な話題としてとりあげられることが多い仮説を前面に持ってきて深堀りしており、その重要性を想起させられた点で有意義だった。
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<br />仮説思考が実際にできるようになるためには、方法論の理解と実行の2つが必要である。すなわち、網羅的に調査していけば100の答えが考えられるところ、早い段階で3つに絞込み仮説をたてて検証していくのだが、この意義を知ることが方法論の理解で、実際にどうやって100から3つに絞るかが方法論の実行である。
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<br />この点本書では、仮説思考の意義がわかりやすく記述されていて理解には問題ない。一方、実行の巧拙は経験と勘によるとされている。回数を重ねることが必要で、日常生活や仕事の中で仮説検証を繰り返すことが推奨されている(このくだりは大前氏の「考える技術」を思い出した)。
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<br />この点よく理解できるのだが、もっと具体的で実践的な仮説思考修得方法の記述を期待していたので少し残念に感じた。無いものねだりのようにも思える。
仕事の取り組み方として,仮説思考を提案している.
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<br />仮説思考を使った仕事の逆は何かと言えば,最終的なアウトプットを想像せずに闇雲に情報収集してしまう状況だ.
<br />学生時代ならば,テスト問題を調べずに,1ページ目から完全に理解しようと教科書を読もうとする状況だ.その結果,最後まで網羅出来ないリスクがある.
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<br />仮設思考は,少ない情報で全体のストーリーと構成を考え、必要な情報だけを追加で調べる.
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<br />言うならば,さらっと教科書を最後まで読み,テストで聞かれるポイントを知った上で,必要な部分を読み直す方法である.コツは,クイック&ダーティー.つまり,粗くて良いから素早く仮説を作り,何度も練り直すことだ.
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<br />ビジネスで言えば,現状分析・分析結果・問題の真因・うち手・効果的戦略という筋道を,情報が足りなくても作りきってしまうのだ.あとは,そのストーリーが正しいのか検証を繰り返すことになる.
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<br />もう一つの興味深い経験則は,BCGのコンサルタントたちによれば,仮説はディスカッション・インタビュー中に思い付くことが多いらしい.