業務上で銀行との付合いが最近生じるようになってきたこともあり、元銀行支店長の著書である本書を、今後の参考までに読んでみました。
<br />銀行の現状・内部事情から、銀行との交渉方法、高評価を得るコツなど、非常に詳細に書かれており、その手の内がとてもわかりやすく書かれているため、今後の銀行との交渉等に、是非とも参考にしたいと思う点が多く書かれていた。
<br />経営者や経理マンならば、銀行との取引を有利に、かつ、スムーズに進めるためにも、是非とも知っておきたい知識が満載の一冊と思います。
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私は著者と同年代で30年近く金融機関に勤める者である。その私がこの本を読んだ率直な感想
<br />が 「手の内 (急所) をあかされてしまった...」 である。
<br />いわゆる金融評論家やコンサルタント、学者の書かれる本は世の中に多々あり、その多くはセ
<br />ンセーショナルでおもしろいが、我々金融のプロから見れば所詮実務・実態を知らない素人の
<br />書かれた物という印象が強い。
<br />しかし、この本は絶対に金融機関の内幕を永く経験した者でなければ書けない内容である。し
<br />かも現役ではなかなか言いづらいことが書かれている。
<br />我々が中小企業の決算書で正に目を光らせているのは仮払金や役員貸付金の中味であり、アド
<br />バイスしているのは自己資本の増強である。また。中小企業は経営者の資質次第は最も感じて
<br />いることであり、強くお願いしていることはきちんとした試算表と資金繰り表の作成である。
<br />この本を読んで毎日の自分の仕事を観察でもされたかのような変な気分を味わったのは私だけ
<br />であろうか...