1章「脚光を浴びるファシリテーションの技術」ではファシリテーションの考え方やファシリテーターの役割について解説しています。
<br /> 例えば、次のような言葉でです。
<br /> あらゆる知的創造的活動を支援し促進していく働きがファシリテーションです。
<br /> 権威によって意見を調整するのではなく、メンバーの「多様性」を尊重し、異なる意見のなかから創造的な問題解決を図ろうとします。
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<br /> 2章3節「求められる技術」では、問題解決活動の流れに従って「場のデザインのスキル」「対人関係のスキル」「構造化のスキル」「合意形成のスキル」の4つのスキルがあることを紹介し、続く3456章では、それぞれを詳しく解説しています。
<br /> この3456章は、実際に問題解決活動や会議の場で直面する内容の順に解説がされており、自分が置かれていた状況と重ね合わせながら読み進めることができました。
<br /> これまで、4章「対人関係のスキル」で解説されているような、相手を受け入れ、意見を引き出すための聴き方や質問の仕方、非言語のコミュニケーションなどを学んできましたが、なかなかうまくいきませんでした。今回、5章「構造化のスキル」に解説されているような、ロジカル・シンキングのスキルが会議での話し合いの際には大きく関わるのだと改めて分かりました。
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<br /> 7章「ファシリテーションの実践に向けて」の1節「ファシリテーションで会議を変える」では、実際の会議のような「仮想ストーリー」にもとづいて、前述のそれぞれの技術の活用の仕方を示しており、大変分かりやすかったです。加えて、その場で本書のどこに立ち返ればいいのか、丁寧にページが示してありましたので、どう対処すればよいのか確かめることができました。この7章だけ先に読んでもよいかもしれません。
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<br /> 巻末に「ブックガイド」があります。各章毎に3冊ずつ紹介されていますので、さらに深く学ぶために役立てられそうです。
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日々の現場で決断のスピードがあがらないことを悩んでいる人は多くいると思います。
<br />また、メンバーのパフォーマンス、組織のパフォーマンスをあげていくのにいままでのやりかたでは限界を感じている人も多いでしょう。
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<br />私もその中のひとりです。
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<br />いろいろな方法の中で、ファシリテーションは場の醸成と納得感、最適な解を導き出すのにはよい方法のひとつだと思っています。
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<br />本書は多くの書籍の中でも簡潔にまとめてあります。
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<br />人の感情の動きを受け止め、生産的な会議にしていくには、ファシリテーターの言葉や考えの引き出しが多くなければいけません。
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<br />実践してみて、ふりかえってみて、またこの本書を読み直す。
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<br />平易な書き方と適切なボリュームも手伝ってそれを可能にする一冊だと思います。
ファシリテーションという言葉とファシリテータという仕事があるということに興味を抱きました。ファシリテーションとは、何かを理解するには要領よくまとめられたものだと思います。