幸之助さんの幼少時代から会長退任までの道程を簡略にまとめられたのがこの「私の履歴書」ですよね。もう少し詳しく書いてほしかったなぁとは思いますが、これだけでもかなり内容は濃いです。「熱海会談」のお話や週休二日制の実施に至までの経緯など読んでいて、とにかくすごいなぁと思いました。社長退任、会長退任の時の言葉も個人的にはかなりよかった。こうして考えてみると、やっぱり松下幸之助さんはすごいなと思えてきます。経営者としても、もちろん偉大だけど人間としては、それ以上に偉大だったんじゃないかなって思えてきます。それはアサヒビール名誉会長の樋口廣太郎さんのお話に如実に表れていると思います。<br />そういう事を考えると幸之助さんは正に"偉人"だなと思いました。
ご存知「経営の神様」として知られ、丁稚奉公から松下電器産業、松下電工はもとよりPHPといった企業までを立ち上げた松下幸之助氏が、日経「私の履歴書」に昭和31年、51年に残した文章をまとめた本です。<br>「経営の神様」といわれるだけあって、印象的であったのは、幸之助氏が「経営は芸術である」と捉えていたこと。これは、「例え、不況期であっても、良い経営をしていれば、利益は上げられると考えていたこと」「技術にすぐれた外資との提携に技術指導料を支払う代わりに経営指導料を要求したこと」等のエピソードから伺えます。ただ、その経営手法は合理性一辺倒で非人情的なものではなく、不況期の全国販売店会議に、最高責任者である自らが出向き、販売店社長の話に耳を傾け、松下に非があれば素直に認めるといったものであったことも印象的でした。<br>同様の本田宗一郎さんらの本に比べると、面白さでは見劣りしますが、真に経営を考えたい方にはお奨めの本です。
この本は、松下幸之助氏のペンによる本です。<br> 内容は、松下幸之助氏の人生(履歴書)と、<br>氏と一心同体である松下電器についてとが、バランスよく書かれています。<br> この本の素晴らしいところは、松下幸之助氏と松下電器の距離感が非常に近いので、<br>松下幸之助氏について、松下電器についての両方を、<br>ストレス無く知ることができるところです。<br> また、著者の語り口は、とても親切で読みやすいです。<br> 著者の人格がにじみ出ていて、私は、素直に自然と、頭が下がってきます。<p> 松下幸之助氏あるいは松下電器をテーマにした本は多数あり、<br>また、松下幸之助氏は、たくさんの著書を出されています。<br> そんななか、「何から読めばいいのかな?」、「どこから手を付けたら?」という人も多いと思いますが、<br>私なら、この本を「入門書」として、強く推薦します。<p> 余談ですが、この本を読んで松下電器歴史館へ行くと、「とても感動すること、間違いなし!」です。