★4つ
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<br />ご存知ヤマト運輸二代目社長でクロネコヤマトの宅急便の創始者である小倉昌男氏が日経新聞の「私の履歴書」に連載した記事をまとめた本。
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<br />小倉氏の著作としては前作『小倉昌男 経営学』の方が内容にもずいぶん厚みがある。
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<br />経営戦略ケーススタディとしての価値も高いし、経営哲学を学ぶにも適しているからである。
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<br />この『経営はロマンだ』はそれを読み易くまとめ直したもので、内容的に半分以上は『経営学』と重複する。
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<br />したがって、1冊を選べと言われれば迷わず『経営学』を指名したいが、『経営学』を読んで大いに感動した人には、内容の復習も兼ねて『経営はロマンだ』を読んでみることをおすすめする。
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<br />奥さんの事や、宗教のこと、障害者支援活動など、宅急便事業以外の内容はこの本の方が詳しいから、小倉氏の人柄や経営哲学のバックボーンなどを深く理解するには役に立つと思う。
日経新聞の連載「私の履歴書」をまとめた本書。
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<br />2代目社長である小倉昌男氏が自らヤマト宅急便成長の記録を私情を交えて書いたもの。
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<br />小倉氏の決断がなければ今の宅急便はなかった。
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<br />引退後は、福祉事業に熱を上げている小倉氏の様子も書かれています。運輸の事業では宅急便という結果を出したが、福祉の分野ではまだ初心者。結果を出すのはこれからと言ったのが78歳。恐れ入る。
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<br />経営者としての生き方を学ぶことができる。
ご存知「宅急便」の創始者にして、先日惜しくも亡くなられた小倉昌男氏が日経新聞「私の履歴書」に連載された文章を、文庫化したものです。著者といえば、真っ先に、宅急便の認可に関し、いわゆるお上に立てついたエピソードが思い浮かびますが、この本を読めば、それが「おかしい」ものはおかしいと主張する著者の性格に由来するものであることがわかります。その性格は、ヤマト運輸を退かれてからも、月給1万円が当たり前とする障害者福祉の現場で、働く障害者たちに月給10万円を払える事業創設に奔走する姿からも伺えます。おかしいからといってたてつくことには、非常な勇気と労力を要しますが、決して信念を曲げられなかった著者の強い生き方に感銘を受けました。単なる経営者を超えて、素晴らしい人間を、また1人失ったことが残念に思われる1冊です。