普段生活していく中で、われわれが直接目にできるものは、自分の周りの数十メートル範囲にすぎない。それは地球規模からすれば、無限大に対する1のようなものだ。そうした理由もあるのだろう、グローバリゼーションとよく言われているが、果たして何が変わったのだろうか??と思うことが決して少なくない。
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<br /> この本はそんな疑問に答えてくれる、極めて興味深い本である。私自信、世界中で起こっているすべての物事を、その場で自分の目で見ることができない(当然なのだが)ことに非常に悔しさを覚える人間である。イラクでは宗派間対立が泥沼化しており、アメリカでは民主党が共和党を押さえ、与党としての座を獲得した。それをこの目で見ることができないことが、どんなに自分の好奇心を煽る、多くの宝を失っていることに繋がっているか。。。
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<br /> この本のよいところは、そうした物事の中の重要な部分をわれわれに伝えてくれると同時に、フラット化した世界の中でどうすれば勝ち残っていくことができるか、そのために何が必要かを筆者の立場から述べてあるところである。国際情勢の変化に興味がある方は必読である。
一口に「グローバル化」と言うが、私たちの身の回りに起きていること、そしてこれから起こるであろうことを解説しているという点において、あらゆる人が読むべき本である。私は本書の内容を子供に語らねばならないと深く思った。
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<br />フリードマン氏はかつて「レクサスとオリーブの木」という著書で、マクドナルドが出店している国同志は、マクドナルドがその国に出来て以来戦争をしたことがないと書いた。今回、フリードマン氏は、グローバル・サプライチェーンに組み込まれた二国は、双方がそのサプライチェーンの当事者である限り、戦争を起こすことはないとその説を修正した。グローバル化は一方で、ビン・ラディンのようなテロリストにも公平に力を与えている。フリードマン氏が今後の出発点を 9.11(米国テロ)に置くのではなく11.9(ベルリンの壁崩壊)から始めたいとする主張には希望と説得力がある。
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<br />そう、日本では死語になったのではないかと思われる「希望」である。希望とは何なのか。他国もうらやむ今の日本に何故希望がないと言うのか。余りにも日本人は無知であり世界から孤立してはいないか。
非常に示唆に富んだ本です。
<br />(反フラット化のイスラム世界についてのくだりなんて、目からウロコでした。)
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<br />示唆の中から、若い日本人が認識すべきことを独断と偏見で選ぶなら…、
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<br />@グローバルな競争(フラットな世界)はすぐそこまで来ている。
<br />⇒これについては日本は英語圏でないので、すぐに当てはまるかは微妙ですが、
<br />高付加価値な労働についてもいずれ競争に巻き込まれていくと思います。
<br />資源の無い日本の活路はやはり高度な知的生産国家しかないと思うのですが、
<br />現在の理系離れや教育水準の低下、少子化傾向で目標を達成できるのか…。
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<br />A個人の知が競争の差別化要因となり、個人の知は教育によって育成される。
<br />⇒これについて現在の日本は非常に憂慮すべき事態であると考えられます。
<br />テクノロジーによるイノベーションのみが競争であるとは思いたくないですが、
<br />経済発展を遂げる国は学生の理数系の成績が良い、という統計もあります。
<br />アメリカは他国から優秀な頭脳をひきつける魅力がありますが、日本は…。
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<br />B差別化できない最後のものは「イマジネーション」である。
<br />⇒知のコモディティ化が進むと、あらゆる物は模倣され、コモディティ化する。
<br />しかしながら、最後まで模倣できないことは、知からイノベーションを生み出す
<br />「イマジネーション」、すなわち「独創性」や「考える力」である、と。
<br />これは全く同感です。イマジネーションが生まれるにはどうすればいいか、
<br />という問いにはあいまいにしか答えていませんが…。難しいですしね。
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<br />とまぁ、読む人によって大事に感じる箇所が微妙に違ってくると思います。
<br />自分が「コレは大事なんじゃなかろうか」とうすうす思っていたことが
<br />ズドーンと書いてあったので、個人的には非常に嬉しかったです。
<br />(教育とか、イマジネーションこそが差別化要因だ、とか。)
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<br />他に普通の読み手としてはどうすることもできませんが、
<br />・フラット化する条件とは何か。
<br />・フラット化した世界で国家が競争力をつけるにはどうすればよいか。
<br />・フラット化した世界に必要なセーフティーネットとはいかなるものか。
<br />・フラット化できる国とそうでない国の決定的な違いは何か。
<br />とか示唆に富んだ記述があります。
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<br />非常に勉強になるし、何より視野が広がります。
<br />ホントにおすすめ。