業務系の設計のための入門書といえるものが少ない中で、
<br />この本は業務の基本を押さえるには役に立ちます。
<br />ただ、ユーザーの業務において同じものはないので、
<br />これで基本を理解してから応用することになるのでしょうが。
第一部で著者は、システム屋と業務屋の溝、意思疎通のインフラ整備の遅れを嘆いている。本書の初版が2001年。それから4年以上経った現在、状況は何も変わらない。我流UMLなどが出回ってむしろ現場は混乱する一方だ。小手先の技術でごまかしても本質は何一つ変わらない。<br>システムと業務知識が双方向で解説された本はいまだ数少ない。その意味で本書は4年経った現在も色あせていない。流行ばかり追うよりも本書のような汎用的なスキルを身につける方がはるかに大切だと思う。<br>データモデリングと業務知識を分離せずにコインの裏表のように一つのものとして解説している。後半がやや駆け足気味だったのが残念。
これすごく良いです。例えばあたらしい業種の仕事が入った場合なんかはもうすごく役に立ちます。僕の場合は実際、生産管理系の仕事なんかしたことがなかったのですが、これでとてもよくわかりました。<br>一般的に業務の視点から書かれた本なんかは、その業務については確かになんとなくわかった気になるのだけれどもそれだけじゃあ果たして、『じゃあそれシステムとして考えたときにはどうなるの?』ってのがすっぽり抜け落ちていたりします。<br>或いは逆に、システムの視点からの本だともうシステムべったりで業務の現場おかまいなしのはなしばっかりだったりして、実際に仕事になったときに『ああ、本にかいてあるみたいにうまくいくわけないじゃん、例外だらけ。』みたいになりがち。<br>これ、その間を上手くとりもってくれている本だと思います。ですからまあ、でもやっぱりどっちつかずってとこもありますが、それはそれこの本を読むことで業務とシステムの間はどうなっているのかがぼんやりわかった上で、さらにそれぞれの専門書を読んだり実践で経験値高めていったりしなくてはならないですが、まあこの本のタイトルにもあるように、これ『入門』ですから。これでいいのだ。