ご存知『指輪物語』の9巻セットです。(追補編は入っていません)ケースのデザインがいいですね。本棚に置くと画になります。9巻全部入っているので置いとくだけでもワクワクしますし、ただならぬものが本から伝わってきます。逆に、読みきる自信のない方は一冊ずつ買った方がいいかもしれません。それにしても9冊の本からひしひしと伝わってくる重厚感のある世界を作り上げたトールキンは非凡ですね。すごすぎます。
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<br />特典というか、中つ国の地図と登場人物の簡単な説明がついた冊子があるのも嬉しいですね。私は一度映画を観る前に読んで挫折したクチなのですが、映画をじっくり楽しんだ後に読んだせいか、序章も含め楽しく読めました。映画でハマった人は恐らくいっきに読み込んでしまうと思います。おすすめです。
前作のホビットの冒険は牧歌的で楽しいお話ですが、
<br />本作指輪物語は暗く、苦難の旅の連続です。
<br />何故なら最高の宝である指輪を捨てる旅だからです。
<br />宝の象徴として指輪がありますが、この指輪は狂言まわしのような存在でしかありません。
<br />この指輪は、単に力としての存在ではなく
<br />全ての快楽の象徴として扱われ、描かれています。
<br />指輪をはめる事で姿を消すことが出来るという能力が備わっているのですが、
<br />次第にビルボ、フロドは指輪の誘惑の虜になってしまいます。
<br />そしてとうとう自力では手放すことさえ出来なくなります。
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<br /> 人間には趣味やどうしても止められないものがあります。
<br />特にお酒やタバコ、ギャンブルなどが当てはまると思います。
<br />それが自分にとって良くないものだからといって、それを自ら捨てることは出来ません。
<br />それをフロドは意を決して、自ら捨てるという旅に発つのです。
<br />その勇気と、指輪を捨てるまでの道程、指輪の結末にきっと驚かされると思います。
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読み切るのが大変でしたが、約1ヶ月で読み終わりました。世界を代表するファンタジー作品としてのスケールとストーリー展開や各登場人物の多彩さに圧倒されますね。地図を見ながら、旅路や舞台を再確認しながら、また読みたいです。付録の地図や解説に、本には書かれていない内容もあり、大変満足しました。