指輪物語フリークなら もう面白くて堪らないことは請け合いである。中つ国の年表などは 本当に見飽きない。
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<br /> それにしても と 思う。
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<br /> こんな世界を一人で作り上げたトールキンは一体どんな人だったのか。どうみてもオタク以外の何者でもない。北欧神話から題材を採っているとはいえ ただ事ではない「執念」を感じる。
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<br /> トールキンは1973年に幽明を境にした。これは 間違いないと思うが 彼は 中つ国に帰ったのだと思う。
有名な小説の場合、その解説書が出版されることがありますが、トールキンという人は自分で解説書を書いてしまうのだから、大したものです。この解説書には、本編では十分に描かれることがなかった王家の歴史や旅の仲間のその後、そしておそらくはトールキンがメインと考えていたであろうエルフ語やホビット語の解説といったものが収められています。また、日本語版では訳者による固有名詞辞典(原著では固有名詞初出一覧)が付いています。<p>正直言ってこれは文学的な意味で読んで面白い本だとは言えません。どちらかと言えば『指輪物語』の世界を“勉強する”というような視点で取り組むべき本です。特に固有名詞辞典は、これを開きながら『指輪物語』を読み進めると理解が深まること必至です。調べものが好きな人にはおすすめの本です。
~追補編は426ページという長編で、中つ国の太古からの歴史、暦、言語、固有名詞や用語解説がぎっしりつまっています。壮大な本編を物語るためにここまでしたのかと驚き、まるで実在した国であるかのような錯覚さえ覚えます。歴史年表を見てアラゴルンとアルウェンの年齢差に驚きますし、指輪を携えて旅をした年に関してはそれぞれの出来事の日付まであります。~~ドラマチックなストーリー展開ではないので読むのには少々忍耐も要りますが、指輪の仲間が亡くなったり、西方へ去ったりするまで、堅固な友情に結ばれた貴重なその後を知ることができます。たとえばサムの娘は高貴な方の侍女になったなど、追補編を読まなければ知らないマニアにはうれしい情報だと思います。~