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上杉鷹山の経営学―危機を乗り切るリーダーの条件 ( 童門 冬二 )

庶民の幸福一点にこだわった、当時ではまれな民主主義的政治哲学で、窮乏の極みに陥った米沢藩を見事に復活させた、上杉鷹三。そのマネジメント能力を、歴史本とは思えない、分かりやすい現代語解説で解説してくれている。 <br /> <br />ケネディアメリカ大統領が「最も尊敬する日本人」として名前を挙げた上杉鷹三。現場を重視し、トップとして率先して模範を示し、過去の慣習にこだわらず、よい意見は身分にかかわらず採用する。 <br /> <br />こういった鷹三の考え方は、歴史から学ぼうという意欲を少しでも持った経営者なら、誰もが参考にしていなければいけない。 <br /> <br />しかしながら、目先の利益と自己保身に躍起になっている、一部の経営者や指導者にとっては、鷹三は歴史上の人物のひとり程度としか位置づけられていないのではないだろうか。ベンチャーの若い経営者や新人政治家の皆さんには、あらためて学んで欲しい名君である。

貧困の米沢を救った名君。自ら質素倹約に努め、一汁一菜の食事をとっていた。名門上杉家のプライドを捨てきれない家臣達の抵抗のあるなか、様々な産業を奨励し米沢藩の改革に努めた。お堀に鯉を養殖したり、食べられる垣根としてうこぎを栽培、養蚕、織物、工芸品などの産業を起こした。それらの産業は現代の米沢の立派な観光資源として活躍している。<p>なせばなるなさねばならぬなにごともならぬはひとのなさぬなりけり。<br>現代に通じる名君であるといえる。

現在、注目されている人のことを書いた、注目されている作家の本であり、期待して読んだのであるが、当たり前のことが書いてあるだけで若干期待はずれであった。<br>そのように思うのは、それだけ「当たり前のことを当たり前にできない時代になっている」ということの表れか。

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