<br />会社に入りどれほど小さくても何らかの責任のある職務についた人の大半は、意思決定に悩んだ経験があるはずだ。
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<br />そのような人に本書は、「もし読者がマネジャーであり、難しい意思決定に直面して苦しみ、なぜ意思決定ができないのか?という問いを胸に抱いたことがあるのならば、それは、その読者が、真のマネジャーであることの証でしょう」と優しく語り掛ける。本書は現場で苦闘するマネジャーへの応援の書である。
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<br />但し、本書は意思決定を簡単に行うためのハウツー本ではない。意思決定はつらく苦しいものを前提とした上で、それを行うための心構え、考え方が簡潔かつ具体的に記されている。
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<br />ここに記された12の心得はどれも含蓄のある内容ばかりであるが、第3の心得の「意思決定に必要な直観力や洞察力、大局観を身につけるためには論理を究めることこそが王道である」と、第12の心得の「割り切りという弱さに逃げ込まない」という箇所は特にずしりと心に響いた。
本書は、簡潔にビジネスの要諦を述べているため、とても参考になりました。<br />自分自身の日常の仕事ぶりを振り返り、何かを決める場面を想起しながら、本書を読み進めると、何度も自らを反省することになりました。<br />仕事以外の場面でもいろいろと参考になると思います。<br />特にリスク体質を改める、の項は、資するところ大でした。
マネージャーは如何なる状況下においても的確な意思決定が要求されます。そして、的確な意思決定ができるようになるためには、「直観力」「説得力」「責任力」の三つ能力が必要だと著者は説いています。
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<br /> 本書では、これらの能力を身につけていくための方法として「12の心得」を解説していますが、それはテクニックではありませんので、すぐに効果がでるものではありません。しかし、この「12の心得」を意識することが三つの能力を身につける早道です。
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<br /> 本書から意思決定の重さを再認識するとともに、自分を見つめ直すことができました。
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<br /> マネージャーに限らず全てのビジネスパーソンにお薦めできる良書です。