この本で初めて「速読」という技術に触れました。
<br />もともと読書が好きで、同じ時間をかけるにしてもさらに多くの本が読めれば良いな、という気軽な気持ちで読んでみました。
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<br />この本によれば本当に訓練すれば、10倍程度の速さには誰でもなるようです。そのためには今の読書の方法を全く根底から変えなければなりません。しかしながら、この本に書いてあるトレーニングをするだけでも読書のこつが何となくつかめて、読みをえた時点で1.5〜2倍程度の速さにはなりました。それだけでも十分の収穫だと思っています。
著者はこの本と同趣旨のトレーニング用教本を、何冊も出しています。よくよく注意してみるとこれらの本はマイナーチェンジを重ねながらバージョンアップしており、訓練内容の細かな部分に新しいキーワードが出現していたりします。この本は、こうした一連の著作の中で、おそらくは最良の1冊と言えるるのではないでしょうか。<p> この本だけで速読をマスターできるように仕組まれているため、多数の教材から構成されています。この訓練を辛抱強く行えるかどうかは読者しだいですが、著者も書いている通り、使用する教材自体は速読教室で実際に使用されているものと同じもの、ということですから、この本はかなり「太っ腹」といえるでしょう。<p> 注意すべき事は、この本のSRS体系の解説を「読みもの」として読んで終わりにしないことだと思います。一つ一つの訓練を実践してみる事。そして感じた事を記録していくこと、この努力が大事なようです。特に「共鳴呼吸法」と「眼球訓練」は毎日やっていると感覚の変化を実感できるようになります。<p>著者いわく、教室での速読講習でも「基本訓練として・・・指導します」(78頁)。<p> また、私個人の感想ですが、著者のいう「見る」という用語を、実体験として理解できるかが速読ができるかどうかのカギだと思います。著者のいう「見る」ことは眼球の周りの感覚とは殆ど関係有りません。「視線を細かく動かす」というのは、目そのものを動かそうとすることと殆ど関係がありません。大きな建物を見たときに感じる圧倒されるような感覚、バランス悪く積まれた本をみたときに感じる不安な感覚、森林浴をしているときの染みとおるようなさわやかな感覚、そうした「感覚」を意識しながら「視覚映像」を捉えることが「見る事」だと思います。私は今1分5000文字を読めるようになりました。この先の進歩が楽しみです。
まずものを広く正確に見る力を養う事が重要みたいで、それらについての具体的な鍛え方が書いてあるのですが、一年続けても速読は未だに自分には出来ません。速読をするうえでの考え方のすごい深いところまで説明してるところはすごいなと思いましたけど、この本だけでは蝶の読書は無理でしょう。ただ光の読書なるものが無理でも、頭にかなりいい事が書いてあるので、挑戦する事は無駄にはならないでしょう。<p>ピカソなど天才画家は一度見た景色を細部まで正確に画けるという様に、速読にもそういった能力が必要だと思います。この本は鍛えたらほぼ誰でもそういう事が必ずできるみたいな事が自身たっぷりに書いてありますけど、絵が下手な人が、誰でもプロの画家になれますか?<p>蝶の読書ができるのは、この本の作者が天才なだけだと思います。<p>ただ頭の体操になるいい事は書いてあります。