最近英語の勉強法について後輩と話す機会があり、再読しました。結論から言いますと、真摯な姿勢で英語学習に取り組むべく考えている人には、英語学習の羅針盤として優れて有用な本の一つだと思います。ところで様々な英会話本がこれほど書店の店頭に溢れるのは、多くの学習者が「何のために英語を学びたいのか無自覚、即ち目標が不明確だから」でしょう。本書では、冒頭で、英語を学習する目的と姿勢を明確にするべく説かれています。言うまでもなく、英会話の能力は必要な技量の一部に過ぎません。日頃、仕事上で交渉や調整等のために英語を使用するものの、口頭でのやりとりは「重要だが手段の一つに過ぎない」と認識している人であれば、本書前半で出てくる「職業上いちばん必要度が高いのは、英語を通じての情報の入手である。・・・読むことがいちばん大切なことは時代を問わないのではないか。・・・つぎに・・・書いて相手方に示す文書には責任が発生する。英語を正確に書くことの重要性はいくら強調してもし足りないほどだ。」(p.44)という言葉に大いに共感を覚える筈です。その他、本書には示唆に富む記述が大変多いのですが、例えば「日本語の発音で英語の発音を代用しないことが大切である。英語をスムーズに使うためには、意味の認知と英語の直接的なつながりを自分自身のなかに作ることが大切である。日本語の発音を用いて日本語のスキーマ(=対象・状況を理解・記憶する時に作用する枠組み、心理学での用語、著者の専門)を活性化させてしまうと英語のスキーマの形成が阻害される」(p.148)といった内容は、発音にどの程度時間と労力をかけるべきか、と試行錯誤している学習者に一助となるでしょう。社会人としての「常識的な」英語運用能力を身に付けたいと考えている人に、本当にためになる一冊です。強く薦めます。
<br /> この本はいわゆる“TOEIC○○○点が取れる!”といったテスト向けではなく、どちらかといえば現場で英語を実際に使わなくてはならない人が、
<br />どう実践英語力を鍛えるかについて様々な方法が提案されている。
<br />
<br /> 著者は社会心理学者でもあるため、英語習得のためのノウハウを著者自信の経験はもちろん、心理学の観点からもわかりやすく説明されいる。
<br />本書を読むことで、英語を実際に『第二母国語』として自由に使えるようになるために必要な心構えや訓練方法、また今までの自分の英語に対する甘えなどが認識でき、
<br />明日からの英語学習の原動力になること間違いなしである。
<br />
<br /> テスト向け学習に違和感を感じている方は必見。
巷では、英語ができない理由として…「日本語と英語は文化が違うから、日本人には英語は難しい」,「受験のために学ぶ英語は役に立たない」,「英文法は役に立たない」,「中学〜大学まで10年間英語を学んでいるのに英語が話せないのは、教育が悪い」…などとよく語られている。一方で、本書は、これら英語ができない理由を否定しつつ、英語上達法を語る。本書が語る英語上達は、それなりに説得力もある。
<br />どこかで楽をして英語を学びたいという意識のある人は、一度読んでみることをお勧めします。英語をできるようにするには、それ相応の努力が必要ということがわかると思います。
<br />