「うつ」「神経症」といった病気が古典的な(?)ものとなり、昨今「人格障害」という名前が頻繁に聞かれるようになった。
<br /> 最初に小生の耳に入ってきた人格障害は、「境界性人格障害」であった。
<br />そのような人間がいるのか、と思ったがその後、人格(ここでは一応の定義を、気質+性格+外界との反応の仕方、とさせてください)の、
<br />強烈な「ねじれ」を持った人に二人係わることになり、翻弄され、
<br />人格障害というものを深く認識するようになった。
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<br />日本では1970年以降に生まれた人に多い、といわれているが、
<br />人対人のコミュニケーション、善意をも自分のために利用しようとするこの人々には、
<br />精神科医もさじを投げるか、最初から診たがらないのが現実だ。
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<br /> 人格障害の人は「困った人」だが、困ったですまないのが反社会性人格障害(サイコパス)である。歴史上の人物としては、ヒトラー、スターリン、チャウチェスク等があげられ、
<br />西欧社会に比べると、東アジアでの人口比は一桁以上落ちるといわれているが、
<br />この日本にも、サイコパスがいることを小生は身をもって知らされた。
<br />サイコパスは、エゴイズムが突出する社会には必ず現れるものではないのかという感想をもっている。
<br /> 少なくとも、自分と他人の幸福を目指す人間の心とは対極にある。
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<br /> 本書は、こうした「人格障害」の理解とその対処の仕方を最初に学ぶには、
<br />最適の良書といえると思う。
私の考える本書の利用法は二通りあります。
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<br />ひとつは自分の周囲の人間の中からこの本に取り上げられている
<br />パーソナリティに該当する人間を考えることです。
<br />パーソナリティ障害の特徴を備えた人間は、皆個性が強く日常生活でも彼らに悩まされることが多いので、
<br />この本の各項目に書かれている彼らと付き合っていく上での対処方法は
<br />ストレスを感じないように生活するためにはとても有益です。
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<br />もうひとつの利用法、楽しみ方ともいえますが、それは今まで
<br />自分が鑑賞してきた映画や小説、漫画の登場人物の中から
<br />この本の特徴に当てはまるキャラクターを考えることです。
<br />面白いと感じた物語ほど、この本で取り上げられている
<br />パーソナリティ分析がその物語の登場人物に対しても
<br />当てはめることが可能で、その物語が人間の内面をどれだけ描けているかの
<br />判定材料のひとつになります。
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<br />人間の内面に興味がある人にとってはとても有意義かつ興味深い本だと思います。
身近にちょっと困った人がいるので買ったのですが、自分を省みる役に立ちました。
<br />私も一時期神経症がひどくなり治療を受けたことがありまして、人格障害とは言われなかったけど不安定で荒れた時期でした。
<br />「はしかのようなもので、若者が一時期なることがある。でも時期が来ると収まる」場合があるとのことで、うーん、わたしも偏りはあったので、ちょっとそうだったのかな。
<br />健康な人でも誰でも心理的な傾向や偏りはあります。偏りがあるのは特別なことではありません。ただ、偏りすぎて困った面が出てくると場合によっては改善したり対処方法を考えないとね、ということ。
<br />自分には関係ないと思わずに、自分を省みる意味でも一読してみると良いです。
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<br />近頃の社会や犯罪や若者はわけがわからん、とを考えてらっしゃる方にも参考になるでしょう。
<br />困った人が身近にいる人にもお勧めです。
<br />(鬱病とかもそうですが)健全で丈夫な人の理屈が通らないときがあるのです。
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