たとえ本を読むのなら、人の読まないような本を読み知識の偏りを無くすような努力。
<br />論理的に物事を分析しビジネスを成功させるというのは必要だが、私流にまとめていうと、冷たい態度のガリ勉君みたいになってしまうよと言うようなことが書いてある。
<br />それではダメなので最期には心を磨きなさい。無欲になりなさい。と、仏教のような内容になってきた。
<br />角を立ててビジネスをこじらせるよりは、無欲に越したことはないと思った。
著者は、慶応経済学部卒、シカゴ大学経営大学院で修士号(MBA with honors)取得後、東京銀行、ボストン・コンサルティング・グループを経て、A.T.カーニー株式会社ヴァイス・プレジデントを歴任した著名な経営コンサルタントです。
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<br />今いわゆる売れっ子であり、年代別の類書が他の出版社からも出ていますが、私が読んだ中(40歳に近いので20代向けは読んでいません)では、これがベストだと思います。一言で言えば、「他人といかに差別化を図るか」について、著者自身が30歳から15年かけて試し、磨き上げてきた方法論を本書ですべて公開しています。評価は◎。マーカーで真っ赤になった一冊です。
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終盤の第9章を除いては、一般的なビジネス書、自己啓発書だ
<br />と思います。
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<br /> 第9章のテーマは、「経営者人材をめざす −自分の心のマネ
<br />ジメント」となっています。筆者が4つの段階を経て現在の心の
<br />状態になったかが、時系列に紹介されています。
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<br />●第一段階・・・「欲」をエネルギーに猪突猛進
<br />→一流コンサルタント街道ばく進
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<br />●第二段階・・・「欲」プラス「他者の感情のマネジメント」の
<br />実践
<br />→感情系を追加。
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<br />●第三段階・・・「無欲」への挑戦
<br />→自分ができることをやりつくし、手放す。
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<br />★第四段階・・・「欲」と「無欲」を併せ持つ
<br />→他者(クライアント)の成功・幸福を実現する人材になる。
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<br /> この章を読むだけで、この本の価値があると思います。経済学
<br />で勉強しました。人間の欲は無限であると。無限であるからこそ
<br />、経済が発展し、より効率的になると。しかし、自己の欲だけでは、
<br />一流にはなれません。他者との関係の中で自分が存在し、自己の欲
<br />が満足される状態であるのが、理想です。
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<br /> 私はまだ、第一段階です。第四段階まで、進めるように自己を
<br />高めていきたいと思います。