不動産投資ファンド、ヘッジファンド、企業投資ファンドについて、その仕組みや評価の方法等につき懇切丁寧に解説している。入門書としては良い本だと思う。既に一定の知識がある人なら、第4章「投資ファンドの未来」を読むだけでも十分。
不動産投資ファンド、ヘッジファンド、企業投資ファンドという投資ファンドの仕組みやその投資手法を分かりやすく解説した好著。一般の投資家にとって実際にこれらの投資ファンドに投資することは少ないのだろうが、実際に市場に大きな影響を及ぼす投資ファンドの取引手法を知っておくことは十分に意味のあることだろう。また、投資をしたことのない人にとっても本書の内容は新鮮だと思う。
<br /> 大きなリターンを求め、新たな投資手法や付け入るべき市場の歪みを探し求める投資ファンドが持つ影響力は今後も強まっていくだろう。世界を舞台にしたマネーゲームのメインプレーヤーたる投資ファンドの行動原理を知っておくことは世界経済の動きを読む上で必須である。本書はその行動原理を非常にコンパクトに示してくれる。
不動産投資ファンド、ヘッジファンド、企業投資ファンドの市場環境、仕組み、手法等につきコンパクトに纏まっており、説明も丁寧で読み易い。自分のような、この世界の部外者にとっては、概観を知る為の格好の入門書である。ファイナンスの考え方の基礎を知っている読者にとっては、IRRの計算の考え方に関する記述等は若干まどろっこしいかも知れないが、一方で、キャップレートの推移から見る不動産市場の状況と今後の見通しや、本来的に市場の歪みを目敏く利用した儲けの仕組みであるファンドが大型化・主流化するにつれて特異な収益機会が失われ、運用パフォーマンスが低下するという市場構造等に関する記述や、各種ファンドの機能や意義に関するバランスのとれた見方は勉強になった。