以前、篠田達明氏の「徳川将軍家15代のカルテ」という本を読んで、徳川将軍家について非常に興味を持ちました。学校では家康、秀忠、家光の三代までは教えますが、その後は綱吉、吉宗と続き、急に15代慶喜まで飛んでしまうという教え方が多いため、私自身も、勝手に徳川家は直系卑属で繋がっているのだと思い込んでいました。また、必ずといっていいほど各代に将軍継承問題があったとは以外でした。
<br />特に9代将軍家重や13代将軍の家定に知的障害があったこと等は興味深く、そのために継承問題が発展したり、田沼意次に代表されるような補佐役の台頭があることは非常に興味深かったです。
<br />徳川264年を1冊に纏めたとても面白い本でした。
この本は、歴代の徳川将軍全15人にまつわる「知られざるエピソード」を、全80項目にわたって、Q&A方式で紹介しているのだが、内容的には、単なる雑学辞典の域を超えており、江戸時代ならではの人間劇を色濃く浮かび上がらせた、充実したエピソード集となっている。
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<br />今の世でいえば、幼稚園や小学校に通うような年齢で将軍となったり、政略結婚の相手を決められ、自らの人生を翻弄される将軍やお姫様。後継ぎを生ませるために何人もの側室を抱え、多くの子供をもうけながら、現代では考えられないような年齢で、次々に早世していく後継ぎ候補たち。世襲制度の中で現れてくるお飾り将軍の下で、幕政を取り仕切って、実権を握っていく側近たち。将軍の座とその側近の座を巡って繰り広げられる、凄まじいばかりの陰謀と暗躍。そんな権力争いの果てに、命を落とし、あるいは、失脚していく多くの人々。
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<br />この本では、そんな歴代徳川将軍全15人にまつわる裏エピソードがたっぷりと語られており、この本を読んでいると、大きな戦争もなく、天下泰平といわれた264年にも及ぶ江戸時代にも、歴代の徳川将軍や将軍を取り巻く人々それぞれに、徳川将軍の座を巡って織り成される、テレビ・ドラマ顔負けの波乱万丈の人間劇があったことや、江戸時代に生きた人々の、あまりにあっけなく散っていく命のはかなさなど、色々なことが見えてきて、考えさせられるのだ。単に面白いというだけでなく、読み応えも十分な裏エピソード集といっていいだろう。
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徳川歴代将軍のことが、一冊で読めたらと思っていた時にみつけた本です。<br>家康から始まり、慶喜で終わった史実は知っていても、その間の徳川家に<br>ついては吉宗ぐらいしか知りませんでした。<br>将軍を中心に、徳川260年あまりの歴史が簡潔にさらっと書いてあるので、<br>徳川将軍家通史を知りたかった私にはちょうどよかったです。<br>ただ、やはりこれだけの薄さでは各時代を深く掘り下げて書くことは不可能であって、あくまで15人の将軍がどんな人物で、その時起こった主要な事柄しかこの本からはわかりません。<br>この本を読んでから、興味をもった将軍についての他の著書を読んでみるというのがいいかもしれません。