この本の著者のホームページの中のオランダの教育に関する講演の記録にこんな一文がありました、
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<br /> 『現在日本には、不登校の子どもたちがたくさんいます。現在の日本では、もしも自分の子 どもが「この学校に行きたくない」といったり、あるいは、友達との関係がまずくなった時 に、その子どもを学校から引き離してやることができません。でもオランダではそういった 問題が起きた時には、隣の学校、近くの学校に簡単に子どもを転校させることができます。 そうして簡単に問題が解決してしまうことがしばしばあります。こんな風に転出してしまう 子どもが増えてくると、学校は廃校の危機に陥りますから、学校の教師たちは一体となって 何とか頑張って地域の子どもの親が満足する質の高い教育を与えようと努力するようになり ます。
<br /> しかし、親というのはやはり自分の子どもしか見ていない……ヨーロッパの中でオランダの 教育がある質の高さを維持して平均的な学力の高さを維持するためには、一定の学力や生活 指導の水準を他国と比較しながら学校制度全体を現状を監督していくことも必要です。そう したところででてくるのがインスペクター制度です。〜〜〜〜』
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<br />これからの教育を考える上でとてもヒントになりそうじゃない?
<br />PBL(問題解決学習)方式が紹介されていたり。
<br />マルチエイジ根幹グループがとりあげられていたり、
<br />とても的確。
<br />ぜひ読みましょう。
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すごい本である。日本の教育の流れを変えかねない。日本では、学力低下の原因を総合教育とゆとり教育の失敗に求めている。しかし、オランダやフィンランドでは、総合教育もゆとり教育も日本より進み、学力も高い。
<br /> では、なぜ日本でうまくいかなかったのか。本書は、それに具体的に答えている。
<br /> われわれは、個別教育というとマンツーマンかそれに近い教育を想定する。日本の学校の先生は、一人ひとりを大切にしようと努力するが、疲れ果ててしまう。
<br /> しかし、オランダの個別教育は一人の教師が30名程度を相手にして行える。その教育方法は、目からウロコものである。
現在オランダに暮らしている作者が、オランダの「個別教育」とその背景となっている「イエナプラン教育」を紹介しています。子どもたちを通して現在の日本の教育に危機感を感じている人が読めば、ため息が出るほどうらやましい話です。しかし、オランダにおいてもかつては「画一的で一斉」な授業が中心であったことや、おちこぼれを作り続けていたかつてのオランダ教育の反省として個別教育がはぐくまれたことを本書から読み取ることができます。そうであれば、いくら日本の教育の現状が先進国らしからぬ「画一で一斉的な教育主義」のものであっても、悲観するのは早いのかも知れません。
<br />教育に希望が持てる一冊です。