解放同盟の根本氏の果てしなき解放運動の記録。日々の生活では見過ごしてしまう人間の側面を言語化し、解放した記念碑的作品。<p>もしも宇宙人がどこかにいて、人類について知りたいと言ってきたら、私は聖書とこれを薦めたい。どちらも、人間がどういうものかを普遍的に描いているから。一昔前の「全体小説」というような言葉も思い出されるような、まさに巨編。何回読んだかわからない、永遠のマスターピース。
根本敬の読み物三部作の記念すべき第一弾。<br>すべてはこれから始まった。<br>今までのどんなジャンルにも分かつことのできない絶対的な内容。<br>それは昔話のような普遍性と超前衛を持ち合わすという奇跡のケミストリー。<br>根本敬は偉い。偉くて偉くて仕方ない。これで偉くなければ嘘だ。<br>それは読めば納得できるだろう。<p>そして後世、人は根本敬のことを特殊漫画家大統領と呼んだ。
特殊漫画家・根本敬をして書かせたこの活字本は、タイトルの通り、彼の人生の点と点を鉄道の駅に例えて書かれたものである。<br>この本は、直接読んだ人に何かをもたらすわけではない。でも、何かはわからないが、中には何かがある。普段気づかないことに鋭敏に反応させるセンサーのような装置としての本である。<p>そういえば、松尾スズキがイチローに読ませたい本として挙げていたことが思い出される。<br>松尾曰く「だってそんなの聞かれてもわかんないじゃないですか」。<br>なんにもわからない人に唯一薦める手段としての本、そう、そんな本なのだとも思う。わからなさをわかるために、ぜひ。