女の都合のよい妄想マンガ?と、最初に設定を読んだときは思いました。
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<br />蔓延した病気によって男性の人口が女性の四分の一に減ってしまった江戸時代初期。仕事は女が担うようになり、将軍職も女性が就くように。それに会わせて大奥も男の園(?)になったという話です。
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<br />これだけ聞くと苦笑いですが、読んでみると意外と面白い!大奥における権力争いや、女性のそれと変わらない陰湿な嫌がらせの数々。その中で自分を保とうとする大奥新人の水野。そして何より将軍吉宗(女)がかっこいいのです。兄貴的女性とでもいうのでしょうか。逞しく剛勇でありながら幕政が金欠のため生活はいたって質素。そんな吉宗公が腐った大奥にメスを入れていきます。読ませるマンガです。
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<br />ただ、男性が読むと不快に感じるかもしれません。あまりにも女性優位な内容になっているので。
友人の友人が買って、大絶賛というのがこの作品を知ったきっかけでした。
<br />けれど、ちょっとベタ過ぎるだろう…とか男と男の大奥的争いは見たくない。それに女の将軍っていうのはどうだろうか…それにどうせBLっぽい感じだろ…というので読まずにいました。
<br />ですが、『王様のブランチ』のBOOKコーナーで紹介されていたので好奇心でついに購入いたしました。
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<br />私も例に漏れず、はまりました。
<br />どっぷりと。
<br />連載が二月に一回しかないというのがもうショックです。待ちきれません。
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<br />話の内容はかなり意外なほどすんなり受け止められます。自然です。
<br />女性将軍ですが、一巻の中心八大将軍吉宗公は大変凛とした(若干粗暴)な女性でして女ぼれするような良い女。なよなよしていないので、この人が将軍と言われれば「女将軍、なるほどねぇ」と納得。
<br />一巻の中心になる水野という大奥に入る男性ですが、こちらもやはり「妾」というなよなよした男ではなく、粋な江戸っ子で想像外でした。カッコイイです。普通です。
<br />この二人を取り上げる限り、この世界での大奥はスッキリした縦社会かと思いますが…そこはやっぱり大奥ですから…。醍醐味はある。
<br />良い意味で予想を裏切られ、良い意味で期待にも答えてくれます。
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<br />絵柄も安定していて、少女・少年漫画というような限定されたイメージはありません。
<br />その割りに綺麗。カラーが麗しいです。カバーがちょっとBLっぽいですがまぁ、人前で読んでも有名になりつつあるので「ああ、あれねぇ」くらいで。
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<br />ただ、逆転の原因である「赤面疱瘡」がキモイ。
<br />絵を見てるだけで、体中がかゆくなる。ぶつぶつは大嫌いな私は悪寒が走りました。
<br />なぜこんな病気じゃなかったんですか、よしなが先生!と叫びそうになりました。
<br />思い出すだけで、頭がかゆい…寒気がまた…。
<br />これさえなければ良い本です。
物語の粗筋は、皆さんが書かれているので割愛。<br /><br />BL好き+歴史モノ好きの私は、正直帯のアオリに釣られて購入しました。しかし帰宅後、弟にげんなりされながら読み進めて行ったところ、『これは何かが違う!』と思いました。<br /><br />まず時代背景の緻密な設定。簡単な歴史が冒頭に描かれているだけなのに、読んでいて違和感がありません。<br />私は『日本史<世界史』派の人間なので、外国人が将軍に謁見する際の慣わしや、公文書に記述される内容が諸外国にどう認識されるかがつい気になってしまいますが、『成程ねぇ』と思わず納得。<br /><br />しかし、しかし…ドラマCDが全プレ……ということは、非・売・品!!田中敦子ボイスの吉宗様ぁぁ!!しかも愛しの杉下は堀内賢雄様なんて…!あと半年早くこの本を手に取っていれば、聴けたかもしれないのに…また企画してくれないか淡い期待を抱きつつ、続巻を待ちたいと思います…。