前巻に続いて佳境ですね。
<br />いろんな思いが渦巻いていてハラハラさせられるけど、
<br />フルバを読んできた読者の一人としては、
<br />絶対みんな最後には、幸せになれる気がする、
<br />という根拠のない確信があります…。
<br />救いがないように見えるけど、
<br />それをも救ってしまうのが、フルバですから。
前巻で、自分の想いに気づき、遂に告白をした透に対し、
<br />衝撃の過去をぶちまけ、自責の念から逃げるように駆け去る夾。
<br />立ち尽くす透に、半狂乱の慊人が刃物を手に近づく!!
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<br />苦しみや迷いによってほどけ、芽吹く種がある。結ばれる絆がある。
<br />透は親離れをし、母は思い出として夾のもとへと踏み出す。
<br />そして、頑になっている慊人の心にさえ芽吹くための光を与える。
<br />既に迷いの無い由希は、真知との絆を自然に深めていく。
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<br />この作品を読むと、殻を破る勇気、きっかけや後押し、誰かを想う心が
<br />揃って初めて、人は次の季節へと芽吹くことができるのだと思う。
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<br />あと1巻で完結しそうな雰囲気だが、夾はどうなるのか、
<br />草摩の『呪い』は全て消えたのか、マブダチトリオや魚ちゃん花ちゃんなど、
<br />周囲の人々の関係の行方も気になるところだ。
<br />次巻まで長そうだが、心して待つことにしようと思う。
今回もまた涙が出るすてきな作品です
<br />透とアキト、由希と夾、真知と由希、そして透と夾
<br />それぞれの思いがまっすぐ強く届いてきます。
<br />「生きていくことを諦めないで、もう大丈夫ですよ」
<br />透は、どんな時でもたくさんの温かい言葉をくれます。
<br />由希と夾はお互いに相手を少しずつ分かり合っていきます。
<br />素直にはなれないけれど、これからもこの二人は変わらずケンカ仲でいてほしいです。
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<br />クライマックスが近づいていますが、
<br />最後までこの作品を見届けていきたいと思います。
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