クロードはもともとはアントワーヌの父君の使用人として雇われたのですが、フランス革命により全ての地位財産を奪われたアントワーヌを、その命に代えてでも守った有能かつ、深い愛情を持った男です。また、アントワーヌの父を父親のようにではなく、ひとりの男として愛していたという過去を持っています。もちろんそれは心の内に秘めた想いで終わります。
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<br />アントワーヌは自分が生まれた時から一緒に居るクロードのことが好きです。でも自分をお子チャマ扱いされることに反発を持っています。実に世間知らずなお子チャマなのですが(笑)、クロードが父親に想いを寄せていたことを知る彼は、自分は父の代わりに愛されているのだと思い苦しみます。
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<br />クロードもまた執事の分際でありながら、主人を愛することは出来ないと拒み続けるのですが、フランス革命後、主従関係が崩れたことで晴れて二人は恋仲に♪あとはラブラブ路線一直線です。いつもは冷静沈着なクロードは結構なヤキモチ妬き。しかもかなりの鬼畜です。そこはなんと云ってもよしながふみ。見事なまでの鬼畜っぷり(笑)そして長年父親代わりに愛されて来たと思っていたアントワーヌの心が、まるで雪解けのようにゆっくりと溶けて行きます。
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<br />クロードの愛の深さが沁みる一冊。是非ともお手元に。
「ジェラールとジャック」に次ぐ、よしながふみさんのフランス革命時代のBL。前者よりエロが多めなので、コスえちを楽しみたい方向け…?とはいえ相変わらず上手い心情描写とストーリー展開ですゎ☆くれぐれも言いますがBLです。男同士です。「フラワーオブライフ」とはジャンル違いますので…
よしなが先生の描くBLの独特な世界観にハマったが最後、何度でも読み返したくなる。<br />執事の分際は他社で出版されたものを既に持っているが、こちらは同人誌のものをそのまま文庫化したとあって、多少、違うシーンがあるのが見所かもしれない。<br />Sな執事とへなちょこ坊ちゃんの掛け合いが面白い。