息子のいる何人もの知人たちに、「いい本がある」と紹介すると、すでにもう知っていた。
<br />そして、それぞれに必ず「あれを読むと、うちはまだ、ましかも〜」と言うので、精神安定剤の役目もする本らしい。そして、この本に負けないような息子たちの行動を、それはそれは楽しそうに話す知人たちを見て、幸せな気分になりました。もし、これが「ああ、夫」だったら、ただの愚痴になるのでしょうが、最愛の息子だからどんな内容も幸せな気持ちであふれているのでしょう。これほど他人事だと思えない本ってすごいですね。
私(独身)の隣に住む若夫婦には年の頃3〜4歳の男の子が二人います。
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<br />これがまた、ひじょーにウルサイ。
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<br />宇宙人とでも交信しているのでしょうか、ベランダで一人、
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<br />「あわっ!あわわわわ!うわっ!あ゛ぁーーーーーーっ!あばばっ!」
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<br />と意味不明の言葉を大声で発します。ほぼ毎日です。決まって午前9時前あたり。
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<br />交信がお休みの時は、お母さんと交戦しているらしく、
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<br />「何回言ったらわかるのよっ!やめなさいって言ってるでしょっ!!」
<br />「うわ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」
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<br />と、これまたひじょーにウルサイ。これも決まって午前9時前後。
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<br />私は仕事上夜が遅く、就寝時間が午前遅くにまで食い込むことが多いのですが、
<br />この午前9時辺りで起こされるのが本当に辛い(女の人に叱られる夢も寝起き際に
<br />何度か見てます。半端な時間なので二度寝も出来ません)。
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<br />「今度こそ一言言ってやる!」
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<br />私の我慢も限界にきていた矢先、最近たまたま本書を手にしました。
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<br />男の子を持つお母さんって、大変なんですね。私が子どもの頃もこんなストレス攻撃を
<br />繰り返す怪獣だったのだろうか…。
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<br />この本のお母さん達の声に触れ、そして西原さんの本をその他色々読み、私は
<br />お隣さんに一言言う事をもう少し我慢する事にしました。
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<br />それでも耐えられなくなった時は、一言言う代わりに西原さんの本を一冊薦めて
<br />みようかな、とも考えています。
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<br />お隣のお母さんもきっと苦労しているでしょうが、「自分だけではない」ということを
<br />知ればストレスも少しは和らぐでしょうし、笑いで怒りや悲しみを昇華させる西原さんの
<br />センスは何かの役に立つかもしれませんから。
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<br />男の子に手を焼いているお母さんがいらっしゃいましたら、本書、ならびに西原さんの
<br />「毎日かあさん」シリーズをぜひお薦めします。
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<br />育児を奥様に任せっきりにしているやんちゃ坊主のお父さんがいらっしゃいましたら、
<br />奥様の苦労と現状を知る意味でも、どうぞご一読のほどを。
ガハハと大笑いした後、ホロっとして、そしていつまでもいつまでも余韻の残る作品です。
<br />サイバラさんが書いた作品ではない、と言われてしまえばその通りですが、でも全体を覆うサイバラ的空気は十分に感じ取れる。
<br />それは、西原理恵子さんが実際に息子を育てる親だからでしょう。
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<br />息子を育てる親ならば、
<br />「ウチだけじゃなかった」
<br />「ウチはまだマシ」
<br />という共感と優越感(?)を感じつつ、男の子の親でよかったとしみじみ感じる本だと思います。
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<br />そういう意味で、とても優れた育児支援書だ、といえると思います。
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<br />この本を読んで尚、子供を虐待できる人がいるだろうか?
<br />否!!