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日本という国 ( 小熊 英二 )

ルビ付子供向け体裁で息子のための歴史教材によいと思ったのですが、日本人への愛情は微塵もありません。子供一人で読ませなくてよかったと背筋が寒くなる程に、じわじわさりげく、日本人の善意と正義感を逆手に自虐的罪悪感が心に浸透するように構成した独善的内容です。 <br /> 当時の白人社会による明白な有色人種奴隷化、国土強奪、脅迫暴行、麻薬媒介をなんら語ることなくただ侵略征服とさらりと流し、アジア近隣諸国自身の脆弱さへの自己責任にはかすりもせず、ひたすら戦前戦中戦後日本だけが一貫して愚昧悪辣であり、強制改名や強制売春も歴史的根拠の不明さを添えず、紛れもない事実として断罪する。日本国民の犯罪によって朝鮮人が被害を受けたからもっと金を払えというのが終盤に差し込まれてきます。日本人の名前で成りすまし?というのはこんなタイプかもしれないと初めて気づかせてくれた名著です。

日本という存在が私達にとっては一体何なのか、諸外国からどういう存在なのかを考える基礎としてとてもふさわしい本。 <br />前編は明治維新後に作られていく日本の姿、後編は戦後に作られてきた日本の姿が描かれています。 <br />漢字にルビが振られ、非常に分かりやすく書かれています。 <br />全ての「日本人」に読んで欲しい本。

子ども向けに易しく書かれているけれど、どうして中身はたいしたもの。 <br />福沢諭吉の「学問ノススメ」から始まって、日本の教育から政治・経済のあり方、アジアの国々やアメリカとの関係まで、数々の「なぜ?」に答えてくれる。 <br />「なぜ勉強するの?」「なぜ中国は首相の靖国神社参拝に反対するの?」「なぜ日本はアメリカの言いなりなの?」・・・。 <br />学生時代、けっこうまじめに授業を聞いていたけれど、そんなこと一つも教わらなかったぞ、ということばかり。今更ながら、第2次世界大戦が終わってから60年という年月は「たったの」60年であることを痛感。そして、この国がこれからどこへ行くのか、不安を感じてしまった1冊。

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