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| あさ/朝
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谷川 俊太郎
吉村 和敏
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右開き縦書き「詩集」、左開き横書き「絵本」の合冊。いくら探してもなくて、やっと見つけた奥付が、まさにこの本の奥の奥「ど真ん中」にあろうとは。大げさに言って、度肝を抜かれました。
<br /> さて、「絵本」と名付けるのは、不可解です。これも立派に詩集ではありますまいか。写真の大いなる助けを受けてはいますが、「絵本」ではないでしょう。最後の「おはよう」という「たにかわしゅんたろう」と記名のある一編だけが詩ではないように思います。詩は饒舌である必要はさらさらないはずです。ありきたりの無常観などどこかへ置き忘れて、さわやかなこの横書き「朝」に年甲斐もなく時めいております。 写真がとても綺麗です!読んでいると吸い込まれてしまいそうです。文章もグっと胸に来ました。私は「終わりなんてない‥」が好きです。本当にそうだな‥って何回も読み返しています。読めば読むほど引き込まれ内容が深い絵本です。 これほど詩と写真が一体となった本は、そうそうないのではないでしょうか。<br>美しい自然と意味深い詩に、心を奪われました。なかでも私は、「お早うの朝」が好きです。
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