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| CD付 ジョーパス ジャズギター教本 ブルースと代理コード
(
ジョー パス
)
この本のよいところは、むずかしい理論に首を突っ込むことなく、端的に代理の実例を示してくれることだ。<br>そもそも音楽は感覚の要素が大きいから、理屈がどうこうよりも、まずは先人の経験を踏襲するほうが手っ取り早い。ジョー・パスの指導方法は的を得ている。<br>使われるキーはFが主体だが、パターンを覚えてしまえば、他のキーでも応用が利く。指のフォームを変えずに移調できるギターの強みでもあろう。<br>なかでもⅡⅤ系の代理は、とても明確な説明で、即実践可能である。困っている方々は開眼するであろう(ギターでのⅡⅤは、わかってしまえばとても簡単ではある)。<p>もうひとつ、付属CDで、ジョー・パス自身の演奏と解説が聴けるのが魅力である。ジョーの説明は日本語に吹きかえられているが、一部は残っている。<br>CDでは、合間に模範演奏が数テイクある。なお、この模範演奏については、対応するコードだけは乗っているが、具体的なTABはない。<br>ジョー・パスのブルースを聴いて、その複雑なコードの展開に魅了されつつも、その微妙さゆえにコピーできなかった。<br>しかし、本書によって、それがシンプルな代理の積み重ねによって成り立っていることがわかる。<br>また、コード・フォームも、ロックやフォークのようなワンパターンではなく、特にトップノートに注意してあれこれ選択することで、コード・ソロっぽい、ジョー・パス・スタイルになるのである。<br>つまり、本書はジョー・パススタイルの研究にもなるということである。<p>本書はバンドで演奏することを念頭に置いているが、どちらかというと、ソロ・ギターでやるほうが、微妙な響きを楽しめるだろう。<br>バンドを組む余裕がない人も、洗練されたブルースを自宅で味わえるというわけである。<p>模範演奏は、本書で紹介されているワザ以外も駆使されており、本書はいってみれば初級編程度なのであろう。<br>しかし、分量が多すぎないことは、重要なポイントだと思う。適度な達成感が得られるのも、本書がおすすめな理由のひとつである。<p>レッスンプロでない、トップ・アーティストのレクチャー系教本はときとしてわかりにくかったりするが、本書はとてもわかりやすい。<br>ジョー・パスファンでなく、普通にジャズ系ブルースをやりたい方にも、便利であろう。<br>なお、ブルースといっても、デルタ・ブルースなどの、本物のブルースギターには対応していない。あくまでもジャズの範疇である。
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