数ある日本製の英文法の本でも、トップに位置づけられるものだと思う。解説も詳しく用例も極めて豊富・・・英文法の本を何か一冊なら間違いなくこの本になるはずだ。ロイヤル英文法などを利用している高校生でも、疑問が生じたり今ひとつわかりにくいところがあれば、この本を開くと別の観点から説明がなされていて理解が深まるだろうし、これから進学しても長く利用できるから、決して無駄にはならないはずだ。
英語文法がまさしく,科学としてここにある.英文法の「なぜ」に関して,さまざまな学説を検討し,現実世界の例を引用し,さらには,古代英語からフランス語・ドイツ語までも調べた上で自説を展開する,その手法はまさに上質のミステリーを読んでいるようで,知的な興奮を覚える.P86時・条件の副詞節中で未来のことを現在形で表す理由に関しての緻密な論証は,感激もの.さらに,第36章「情報構造」で,新情報と旧情報という観点から英語の語順等について考察するところは,自分の文法という概念を根底からくつがえすほどの衝撃.話者の伝えたいという意志が,文構造を決定する.言われてみれば当然のことがらが,きわめて斬新に感じられた.900ページを超える詳細な専門書だが,私のような門外漢でもわかるほど,平明に,しかし,高度に書かれていて,思わず読み通しました.
総ページ数900を超え、最新の研究成果を踏まえて、きわめて平易な文章で解説が加えられており、これまでにない素晴らしい英文法の研究書である。引用文献も充実した内容であり、コーパスについても簡潔な情報が見られ、大変参考になる。さらに、索引が詳細に示されており、読者に極めて親切な構成になっている。
<br /> 「このような破格構文といえども、それが英語の事実であるならば、記述・説明されなければならない」という考えに基づいて、有益な指摘がなされており、英語を学んでいる者にとって本当にありがたい学術書である。