ラテン語初級者に向いていると思います。用例などに不満は残りますが、やはり日本語の辞典であるのはとっつき易いといえるでしょう。キケロ、アウグスティヌスなどの美文を読みこなすには多少の不安が残るところではありますが、『神学大全』といった簡潔な文章に取り組むにあたってはいい辞典です。物足りなくなったら、リドル&スコットに乗り換えるといいでしょう。こちらは用例も豊富です。
あの有名な田中秀央(ひでなか)先生が、ランゲンシャイトのラテン語―ドイツ語辞典をもとに作成された辞書です。ランゲンシャイトを買ってもいいでしょうが、語彙数その他の点で田中羅和辞典のほうが優れています。熟語や慣用表現も割と収録されています。初心者として最初に買うなら、絶対この辞典でしょう。1966年以来無改訂で増刷されつづけていることが、この辞典の完成度の高さを物語っています。電子辞書も出て欲しい!
普通に購入できる唯一の羅和辞典。<br>ただし、かなり大型の書店でないとおいていない。<p><良い点><br>語数が多い。キリスト教の語彙も収録されているので、中世ラテンを<br>読む際には便利。<br>古いもののわりに印刷がよく、見やすい。紙もベージュ系で目に優しい。<br>多くの変化形が見出し語としてのっているので、初学者でも原形にたどりつける。<p><良くない点><br>例文がほとんどない。また、語義が、よく使われる意味から順にのって<br>いるのではない。ゆえに、適切な語義を選び出すのが大変。<p>つまり、辞書としてはよくないけれども、いわば「ワードファインダー」<br>として、とりあえず意味だけ確認しようという場合には重宝します。