サイパン・グアム・テニアン。今では、観光地としてしられる島々。ペリリュー・アッツ、全く知られていない島々。これらの島で、60年前、熾烈な戦いが繰広げられた。圧倒的な戦力差の中で兵達は、異常なまでの強さを発揮した。教科書には、絶対載ってはいない日本人が忘れようとした歴史がここに綴られています。<br>降伏という文字は彼らには、存在しなかった。そして、日本軍は、塹壕・草むら・砂浜・洞窟・雪上そして海上に斃れた。此れを読んで、思い出してください、知ってください。<br>自分を含めて戦争の知らない世代の皆さん。一ページ一ページをめくるたびに、涙がこみ上げてきて、とまらなかった。<br>忘れてはならない歴史の一つだと思います。
大東亜戦争末期、酷寒の島で、灼熱のジャングルで、日本軍は次々と玉砕していった。その幾多の玉砕の島々の中から、11の玉砕戦をピックアップしている。頁の都合上ひとつひとつの玉砕戦については詳しく書かれていないが、各編とも、僅かに生き残った兵士へのインタビューを元にしてあって、その凄惨な玉砕戦の一端を生々しく知ることが出来る。<p> 殆どの島では、日本軍は圧倒的に劣勢ながらも善戦敢闘している。その奮闘にはただただ頭の下がる思いである。そして弾薬が尽き、組織的抵抗が不可能になる頃になると、生き残った者は弾雨の中を突撃して果て、負傷者は自決の道を選ぶ。しかし最後の白兵突撃では戦果は殆ど無い。ただ一方的な命の浪費である。降伏が許されない異常な軍隊の悲劇である。