「写真の撮り方の入門書」ではなく、むしろ、広範囲なジャンルでの
<br />「作品集」とでも形容した方が適切な、珠玉の写真がたくさん詰まって
<br />います!
<br />これほどの内容で、このお値段というのは、正直、『お買い得!!』
<br />だと思います。
<br />僕は帰省した時に京都の神社を撮ることが多いのですが、72ページの
<br />「信仰の場所である」という、田中さんのご指摘には、「ハッ!」とさせら
<br />れました。
<br />(恥をしのんで言いますが、僕は「養源院」で「血天井」を撮った時に、
<br />係員から「弔いの寺なので、中は撮影しないでください」と注意されたこと
<br />があります。
<br />もしも、僕が「寺社とは信仰の場所である」と、常々、認識していたら、
<br />このような過ちはしなかったと思っています。)
<br />
<br />「まず、実際の写真在りき。そして、つぎに、撮り方のコツの伝授。」
<br />
<br />という構成でまとまっていて、とても素晴らしい本だと思います!
<br />そして、このような構成にまとめあげることのできる著者の撮影技術とツボ
<br />を抑えた解説に、著者のカメラと写真に対する愛情と、写真の学習者に対す
<br />る細やかな配慮を、本書によって感じ取れることと思います。
<br />(81ページの「チャンスはいつ、なんてわからない」の写真、とても微笑
<br />ましいですよね!!)
写真が上手くなりたいと思って何冊か撮影術指南書を手にしても、役立つ本というのは案外少ないもの。
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<br /> ところが本書は、「ひょっとしたら私でも」と思えるような「上手い写真」が満載で、その写真の撮影ヒントが簡潔に書かれている。まずは真似てみるところから始めれば、格段に上達しそうな予感がする。タイトルに「デジタル一眼レフ」とあるけれども、レンズ一体型のハイエンド機のユーザも十分に使える本だと思う。
<br />
<br /> それにしても著者の田中さんは写真が上手いですねぇ。つくづく感心しました。