心して買いました。そして読みました。
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<br />ただ、重たい岩を抱きかかえたような気がします。
<br />私も二人の子供の親として、そして一人の人間として、何を想って
<br />生きなければいけないか?大変な問いを、そして一番大切な問いを
<br />もらいました。
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<br />二冊買いました。二人の子供にそれぞれ与えるためです。
<br />人間の「いのち」は、皆どこかでつながっている、という恩師の言葉が
<br />思い出されました。
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<br />一本一本のいろえんぴつの線。必死で書いたひとつひとつの文字。
<br />全てが読むものに迫ってくる想いがします。
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<br />星をつけるのが非常につらい一冊でした。星などつけられない。
<br />人の命を、加純さんの命を星などであらわせたくない。そんな想いです。
<br />いい年をしてと思いつつも、いい年になったからこそ、生きることのつらさ、苦しさが
<br />分り、そしてそれだからこそ、生きていることが何よりも大事だということを、
<br />分らせてくれた本です。
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<br />加純さん きっと「あなたのいのち」が誰かの「いのち」とつながっていると思います。
<br />だから・・・あなたはまだ生きているんだよ・・・そう思いたい、そう願いたい「命(ほん)」です。
レビューを書いている今は、2006年6月11日。
<br />本書には、加純ちゃんが生み出した詩が直筆のまま載っている。
<br />詩の終わりに、日時と名前が記されているのが印象的だ。
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<br />その中のひとつが、たまたま3年前の6月11日のものだったので、
<br />そのページに目が釘付けになってしまった。
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<br />それは、たどたどしく綴られた22文字。
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<br />たったこれだけだ。
<br />しかし、これだけで充分だった。
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<br />彼女については、本の紹介文以上のことは知りませんが、
<br />脳腫瘍という逆らえない運命の中で、生きぬいたという事実そのものが、
<br />たった数行の文からでも、溢れ出て胸に迫ってくるからです。
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<br />誤解を恐れずに言うと、この手の本はあまり出て欲しくない。
<br />もし、これがTV ドラマや漫画のような架空の世界の死であったら
<br />どんなに、気が楽かと思うのだ。
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<br />本書に出会ってしまったからには、今以上に命の重み受け止めて、
<br />生きていかねばならない。