主にメイドの品格の差が大きかった英国の女性使用人や男性使用人を載せています。
<br />ドイツや日本、アメリカの使用人についても少し載っています
偏りのない観点から書かれた文章から、当時の実情を窺うことができます。
<br />メイドだけでなく、「使用人」を取り巻いていた環境、社会、政治に関する解説もされているため、発見がたくさんありました。
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<br />役職ごとに特に『要求された特質や個性』の解説には、
<br />使用人として生きた、雇い主として生きた沢山の人々の人生が感じられます。
<br />これを読んでみると、映画や娯楽が「ああ、だからか…!」と解るようになって、
<br />以前よりも楽しめるようになること請け合い。
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<br />題名に「図解」とありますが、思ったよりメイドの服飾・道具に関する
<br />厳密な言及や、イラストのバリエーションは少なめでした。
<br />そういった意味で、具体的な絵や写真による資料をお探しの場合は、
<br />他を当たったほうがいいかも知れません。
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<br />知識・教養の一環として、話のタネに、
<br />あるいは創作のネタや足がかりとしては、優秀な本です。
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19世紀のシャーロック・ホームズの世界でもメイドさんがでてきますが、階級社会あっての職業なので、平等の観点から見ると複雑な思いです。
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<br />メイドの職種による制服の違い。
<br />男性使用人(いわゆる執事)の階級。
<br />イギリスとドイツ・フランスの違い。
<br />アメリカや日本の使用人。
<br />日本初の女中養成学校。
<br />メイドに関わる有名な事件など。
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<br />現代のプロフェッショナルな使用人。執事、乳母専門職業訓練学校。
<br />現代は日本で言えば秘書検定みたいに資格化され立派なプロです。
<br />ヒラのぶんざいで贅沢言えないけど、仕事上、優秀な秘書さんなり執事さんなりはホント欲しいです。
<br />索引と膨大な参考文献一覧は、さらなる向学心に燃える(萌える?)方に役に立つと思います。