中岡氏によるブログの書籍化第二弾は、前作で未掲載だったブログの残りと書き
<br />下ろしで構成されている。前作が日本語教師としての体験が中心だったのに対し、
<br />本書は現代韓国を一歩引いた視点から、多岐にわたって論じている印象だ。
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<br />プロローグでいきなり「韓国メディアよ 恥を知れ」と叩きつける。本書が韓国マス
<br />コミで取り上げられている事実を私は知らなかった。当然ながら否定的な扱いだが、
<br />その論評が出鱈目で公正ではなかったことに著者は憤慨する。中岡氏の前作は
<br />率直ではあるが、決して韓国を貶めるものではなかった。とにかくあらゆる批判を
<br />許さないとする韓国マスコミの狭量さが際立つ。
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<br />今回も前作に負けず劣らず面白く、現代韓国人の思考様式と振る舞いに、ある時は
<br />目が点になり、ある時はやれやれと肩をすくめ、ある時は「いい加減にしろよ(笑」と
<br />呆れること請け合い。我々日本人にいろいろと迷惑をかけてくれているのをしばし
<br />忘れ、漫画的なキャラクターそのものとも云える韓国人による、とんまだが愛嬌の
<br />あるニダー君劇場を是非ともご堪能あれ。
第1打については2006.5.4にレヴューを書いたのでご覧ください。
<br />第2打についてはまず、誤字や脱字の校正ミスが気になりました。また、2番煎じは否めませが、韓国への苦言、批判が強まっています。
<br />第2打のポイント以下の通り。かなりの韓国人がこんな感じだそうです。
<br />○韓国人は日本人よりずっと見てくれ(学歴、容姿容貌、収入など)を重視し、中身が伴わなくとも(言い換えれば、金でこれらを手に入れても)手に入れることを厭わない。
<br />○自分より下と感じたものには軽侮し容赦がない。また、人種差別も露骨、肌の黒い人種ほど下等と見る。
<br />○セルフコントロールができない。自己を客観視できず、自分のことは棚に上げて相手への攻撃一辺倒。仲間内での情は濃いが、他人となると思いやりの心遣いはない。
<br />○個人を特定して、皆で糾弾、弾圧をするのが好き。
<br />○物事の信憑性を確認する検証があまりなされず、聞いた話の受け売りで信じる。韓国のポータルサイトNaverの掲示板もそんな感じだが、こと日本に関することについては悪意の捏造も多い。
<br />○職人のように地道な技術を評価せず、スマートで格好よい職業を評価。また、努力型秀才より天賦の才能を断然評価する。
<br />○知的財産(商標、特許、意匠、著作、類似商品など)の保護概念も希薄で、丸写し的でなく一部模倣なら許されるという考えが蔓延している。但し、これは韓国がまねた場合、外国で韓国オリジナルのものが一部でもまねされれば途端に厳しく追及する。
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<br />一番面白かったのは、本田宗一郎が韓国と台湾にバイクの技術協力をした時のエピソード。台湾からは「技術協力のおかげで良い物ができましたので、先生是非見に来てください」と、韓国からは「技術協力のおかげで良い物ができましたので、あなたはもうこなくて結構です。」との扱いを受け、本田氏は「韓国人と仕事するな」との遺訓を残したとのこと。
ニュートラルに韓国に接している人という自覚が強い人だと思う。だけど、前著の韓国内での取り扱われ方の不公正さに怒り心頭。少々今回は韓国を強烈に批判するという方向へとシフトしている感があります。
<br /> でも、尻馬に乗ってどんどんと韓国のイヤな部分を連呼し、糾弾していくような論調の多い韓国本が多いなか、やはりこの本の、「実際に自分で見て、話して感じた実感の積み重ね」は、貴重に思う。ネットでだけ遭遇した事例や聞き書き、エキセントリックなニュースたちをのぞくだけではわからないようなことが、それでもニュートラルな視点に留まろうという努力とともに書かれています。
<br /> そういった意味では、前半の書き下ろし部よりは、後半のブログ掲載部の方が、著者のスタンスへのこだわりが見えて、好感が持てます。
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<br /> 個人的には、無意味なほどの賞賛と親善のみの親韓もおかしければ、ただただ蛇蝎のように忌み嫌う嫌韓もおかしいと思う。それは、どちらもリアリティが欠如しているから。
<br /> それだけに、こういう、韓国の生身を感じられる本が、もっともっと増えて欲しいと思うのです。
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<br /> そういう意味では「2打」というサブタイトルとかは、イマイチ。これだけで、韓国罵倒本になってしまいますから。欄外の出版社による?注釈に誤植等校正不足が多いのも、なんだかなと思います。もう少し出版社には、気をつかってほしいですね。せっかく、貴重なジャンルの本なのだから。