景気循環を踏まえて株式投資を行う。
<br />これはとても大事なことだと思います。
<br />著者は建設・設備投資の景気循環がともに上昇傾向になっているこのときに低位バリュー株への分散投資を説く。
<br />もっともなことだと思います。
<br />ただし、お金はやはり貴方の大事な資産なのでほかの著作も読み合わせた上で、投資に活かしたほうが良いと思います。
<br />たとえば、H・S・デント氏の「バブル再来」の日本株の見通し、大竹慎一氏の「日経平均4000円時代が来る」など。
<br />これらの本も読んだ上で、実際の投資に活かしたほうがより良いかもしれません。
この本は嶋中雄二氏「ゴールデンサイクル」の亜流本という気がしないでもない。
<br />低位バリュー株投資という戦略と景気循環論を結び付けているのがミソで、説得力
<br />がある、というか、株式投資をしないと損するような気になる。主張は非常に明快。
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<br />意外にありそうで、実はない本だと思う。買って損のない内容。ただし専門用語が
<br />ある分、初心者には少々ハードルが高いか? 中級者向け。
株式投資によるぼろ儲け的な方法論ではなく、より確実、着実、地道に利益を上げたい人にお薦め。筆者の視点はありがちな投資指南本の近視眼的、hit and run的、押し付けがましいアプローチではなく、株価の歴史的観点などを含めたユニークなもので非常に親切さ丁寧さを感じる。明らかに博打的株式投機が好きな方向けではない。長期にわたる指標、傾向値の分析などからは長年のファンドマネージャとしての実績が窺える。
<br />農耕民族型というワーディングもユニークである。表紙はミレーの落穂拾いだが、”落穂=バリュー株”という暗喩の意味合いもあるのだろうか。
<br />望むらくは英訳本がでて、ガイジン投資家にも読んでいただきたいものである。
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