知っていて当たり前、と思うことでも新鮮な事に感じる事があります。
<br />小1の子どもに夜読み聞かせる習慣をまた始め、久しぶりに読んでみたら好評、私自身も新鮮でした。
<br />絵も話もすべてが単純なので、読む人によって脚色だって出来そうです。もっと小さな子でも十分楽しめるでしょう。読む文字も少ないので、読み聞かせる親もゆったりとしながら、脱線しながら読むこともできる。終わった後にもこの色とこの色を混ぜるとどんな色になるんだろうね、などと子どもと布団の中で話したり・・。楽しい時間を持てる本です。
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あまりにも有名すぎて、内容も知っていたので今更買うまでも・・・ところが、ある日突然「この本は持っていなければいけない」という天からの声が聞こえたのです。初めてじっくり読んで、絵本の意味とデザインの原点を思い知らされました。そして最後にこの本が初めて出版された年を見てびっくり、私と同じくこの世に生まれたのです。グラフィックデザイナー レオ・レオーニ 49歳の作品です。
<br /> 日本で出版されたのがいつかはわかりませんが、日本でも親しまれているのは「あおくんときいろちゃん」という、みごとな和訳のおかげでしょう。パソコンの普及で〈シアン・マゼンタ・イエロー〉のかけ合わせ率で色を出せることが知られてきましたが、印刷、出版、デザイン関係者しか知らなかった色の原理を、シンプルな「絵本」という「作品」に仕上げたこの名作は、教科書としていつまでも大切に持っていたいと思います。
何度繰り返し読み、子供たちに何度繰り返し読み聞かせたかわからないです。
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<br />あお君ときいろちゃんは、嬉しくて、共にいることの喜びから「みどり」になってしまう。70年代のカウンターカルチャー全盛のころのグリーン、フラワーチルドレンを連想させます。
<br />でも変わってしまった二人は、もう家に入れてもらえない。彼らの涙が、ある意味では、固定観念に縛られていた大人の心を解かしていき、やがて「グリーン」の輪が身近な人々に広がっていく話としても読めるのでしょう。
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<br />誕生祝いや、贈り物に選んでも、けっして相手も自分も悪い気分にさせない、素晴らしい本です。